研究課題
低分子化合物5-HT4刺激薬、クエン酸モサプリド(MOS)の腸壁内神経系再生促進剤として の、多領域にわたる神経の再生・新生作用の可能性とそのメカニズムを明らかにし、その制御のための基盤となる エビデンスを得て、神経障害に起因する様々な障害事象で難渋している患者に資することを目的とし、腸管切離吻合モデルでMOSにより再生・新生した壁内神経系の性質やそのネットワークの生理的機能をin vivoイメージングにより生きたまま生理学的に評価し、また、神経幹細胞移植(中枢神経由来ではあるが)の結果、腸管切離吻合部に限定されて神経細胞に分化していることを示した。さらに、埼玉大学との共同研究で神経活動に応じて神経が光るトランスジェニックマウス(Thy1-G6-mCherry TG マウス)を使用して、生理学的機能を評価するシステムを確立する研究を目指した。本研究費で購入した腸管の吸引装置を使用して腸の動きを抑制することにより、細胞内カルシウム濃度の自発的変化およびセロトニンに対する反応をin vivoイメージングで成功した。この点は最新の成果である。光遺伝学を応用するため腸壁内神経にチャネルロドプシンを発現するTG マウスを交配で作成 する予定であったが、時間がかかるので、遺伝子導入に方法を変えてTGマウスが用意できた。最終段階で、このマウスに光刺激を与えて神経細胞の反応を見る予定である。腸管切離吻合モデル等の作成、クエン酸モサプリドの飲水投与による腸壁内神経系再生・新生促進作用をin vivoでのカルシウムイメージングで確認することはまだできていない。in vitroで滑膜細胞と脊髄後根神経細胞との共培養系におけるMOSの効果を検討するため、脊髄後根神経細胞に対する効果を検討したが、特に顕著な効果は得られなかったので共培養系における検討へは進めなかった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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