研究課題/領域番号 |
15H03060
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研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
土井 幸輝 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育情報部, 主任研究員 (10409667)
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研究分担者 |
澤田 真弓 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育研修・事業部, 上席総括研究員 (50321592)
藤本 浩志 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (60209103)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アクセシブルデザイン / 晴盲共用 / 触知シンボル / 形状 / サイズ |
研究実績の概要 |
我が国では,情報入手障害ともいわれる視覚障害者について,中途視覚障害者が年1万人ずつ増えている.このような状況を受けて,視覚障害者への情報保障の充実が急がれる中,シャンプー等の一般消費生活用品の包装容器に,内包物を識別できるようにするための触知シンボルが付されるようになりつつある.触知シンボルには,点字が触読できない視覚障害者でも利用できるという利点がある.こうした触知シンボルが付されるようになった背景には,包装容器に関するISO 11156の制定が大きく関与している.2014年には,このISO 11156を受けて,日本工業規格(JIS S 0021 包装―アクセシブルデザイン―一般要求事項)の改正作業が行われた.この際,筆者は,シャンプー,リンス,ボディソープの各容器の識別に関して,これまでには無かったボディソープの識別表示のための新たな触知シンボルを,視覚障害当事者団体と包装容器の工業団体と連携してJIS S 0021の中に含める主担当として貢献した.この触知シンボルが実際に包装容器に付されるようになることは,視覚障害者のみならず晴眼者からの期待も大きい.こうした触知シンボルの形状や寸法については,多数の利用者によるモニター調査で決められているが,触知し易い触知シンボルの寸法に関する定量的なデータは十分ではない.そこで本研究では,アクセシブルデザインの理念に基づく包装容器等の識別表示に必要な晴盲共用の触知シンボルの形状リストの作成とその識別し易い寸法の検証を行う. 初年度は,視覚障害支援に関わる関係機関や視覚障害当事者の協力を得て,視覚障害者のための合理的な配慮として国内外で実用化されている触知シンボルを収集することができた.また,触知シンボルの識別容易性評価実験で使用するテストピースを作成することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,視覚障害支援に関わる関係機関や視覚障害当事者の協力を得て,視覚障害者のための合理的な配慮として国内外で実用化されている触知シンボルを収集することができている.また,触知シンボルの識別容易性評価実験で使用するテストピースを作成することができている.それ故,当初の計画通りに進展している.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は,初年度に収集した触知シンボル形状のリストを作成する.なお,必要に応じて追加調査を行う.1年目に作成した触知シンボルの識別容易性評価実験に用いるテストピースを用いて識別容易性評価実験を行う.
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