研究課題
研究1:被験者は9名とした。日射及び輻射を伴う暑熱環境下において、60分間の一定負荷運動 (60%VO2max)をCGを着用する条件 (CG条件)と着用しない条件 (Control条件) の2条件下で行った。平均皮膚温及び下肢の皮膚温はCG条件でControl条件よりも高値を示したが、食道温、心拍数、主観的指標は条件間で差は見られなかった。運動終盤において、換気量はCG条件でControl条件よりも低値を示し、呼気終末二酸化炭素分圧はCG条件でControl条件よりも高値を示した。本研究の結果は、CGの着用により体温上昇時の換気亢進反応及び動脈血中二酸化炭素分圧の低下が抑制される可能性を示唆しており、暑熱下における運動時の運動パフォーマンス低下や熱中症の予防に貢献できる可能性を示す。研究2:日最高気温と総死亡との関連を評価するに当たり、数日間の持ち越し効果を含む気温の影響を評価するため、distributed lag non-linear modelを用いて、至適気温の経時的変化を多数の国・地域で評価した。日本の47都道府県においては、基本的に至適気温は右方シフトしていたが、主に近畿、中四国地方では最近になってそのスピードが上がってきていた。一方、韓国においては、1990年代がほぼ横ばい、それ以降は左方シフトが認められ、特にBusan、 Incheon、Daeguでその傾向が顕著であった。オーストラリアは都市によって全くパターンが異なり、Brisbaneでは2000年まで左方シフト、それ以降右方シフトに転じていた。Melbourneでは基本的に左方シフトが続いていた。以上のように、ここ数十年は気候が温暖化に向かっているにもかかわらず、日本以外ではそれに呼応した至適気温の右方シフトが認められなかった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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