研究課題
抑うつなどの心身の異常の発症には、遺伝的要因や環境要因など様々な病因が関係している。本研究は、抑うつ、 ストレスならびに食習慣に関する調査データが付随した暦年的(経時的)に採取・保存された人間ドック、疾患バイオリソース(BR)を用いて、ビッグデータ解析を可能とするデータベースを作成し、効率的に選択したBRを用いてストレス、抑うつなどに伴い変動する疾患特異的代謝機能の変動をオミックス解析により明らかにする事を目的とした。すなわち、暦年的な変化を検索することで明らかとなった疾患特異的分子を基軸として、先制医療の実現を目指す新たなバイオマーカーを創出する。先制医療とは、バイオマーカーを用いることで、発症よりも早期に高い精度で発症予測・診断を行うことで、病気の症状や重大な組織の障害が起こる前の適切な時期に治療的介入を実施して発症を予防するか遅らせるという、新しい医療のパラダイムシフトである。本研究では、検診受診者4500人の各種調査データ、検査値および問診データなどを格納したデータベースを構築した。構築したデータベースを用いて、患群とその群に対応した健常人群を抽出し、メタボローム解析を行い先制医療を可能とする疾患特異的マーカー分子の検索を行った。各種トリプトファン代謝産物(トリプトファン、キヌレニン、キヌレン酸、アントラニル酸、3-ヒドロキシキヌレニンなど)の測定結果を解析したところ、抑うつのスコアと相関が認められる分子が同定され、トリプトファン代謝産物のプロファイリングが有用である事が示された。本検討により新たな候補分子として抽出したマーカー分子は、抑うつ病態の早期検出つまりは先制医療の実現に有効であると考えられる。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件)
FASEB J.
巻: 32(5) ページ: 2549-2562
10.1096/fj.201700783RR.
Glia.
巻: 66(5) ページ: 1034-1052
10.1002/glia.23299.
J Neurooncol.
巻: 137(3) ページ: 455-462.
10.1007/s11060-017-2742-z.
Clin Chim Acta.
巻: 473 ページ: 139-146.
10.1016/j.cca.2017.07.024.
Hematol Oncol.
巻: 35(4) ページ: 637-644.
10.1002/hon.2318.
Lipids Health Dis.
巻: 16(1) ページ: 106
10.1186/s12944-017-0501-y.
Behav Brain Res.
巻: 317 ページ: 279-285.
10.1016/j.bbr.2016.09.050.
J Physiol Sci.
巻: 67(3) ページ: 361-372
10.1007/s12576-016-0467-y.