研究課題/領域番号 |
15H03091
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
目崎 登 筑波大学, 体育系(名誉教授), 名誉教授 (30010408)
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研究分担者 |
家光 素行 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90375460)
佐藤 幸治 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20584022)
相澤 勝治 専修大学, 文学部, 准教授 (80375477)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 性ステロイドホルモン / 動脈硬化 / 有酸素性運動 |
研究実績の概要 |
国内では虚血性心疾患,脳血管疾患などの動脈硬化を起因とする死亡原因が26%程度占めており,早期から心血管疾患リスクを軽減させるかが国内外ともに重要な課題となっている。近年,性ステロイドホルモンの新たな役割として動脈硬化との関連性が報告されているが,運動や食事による性ステロイドホルモン分泌の増大が動脈硬化改善に影響するのか否か,また,効果機序に関しては明らかでない。本研究は,運動により増大する血中性ステロイドホルモンが動脈硬化改善効果に貢献しているのかを性ステロイドホルモン合成酵素の合成阻害剤を用いて直接的な影響について検討することを目的とした。動脈硬化度が増加する肥満モデルラットとしてOLETFを用いて、トレッドミル運動25m/分スピード,60分間/日,週5日で8週間実施、運動トレーニング期間中、エストロゲンあるいは活性型テストステロンの合成酵素阻害剤をオスモティックミニポンプ法にて持続投与した。健常ラットに対して肥満モデルラットの動脈硬化度の指標である頸動脈-大腿動脈間の脈波伝搬速度(cfPWV)は有意に増大していたが、有酸素性トレーニングにより有意に低下していた。また、血管拡張物質である一酸化窒素(NO)の血中濃度や動脈血管のNO合成酵素のリン酸化発現は肥満モデルラットで低下し、運動により有意に増大しており、cfPWVと相関関係が認められた。一方、有酸素性トレーニング期間中、性ステロイドホルモン合成酵素阻害剤を投与したラットでは運動効果を減弱させることはなかった。しかしながら、血中の性ホルモン濃度および骨格筋中の性ステロイド合成酵素の発現が明確に低下しておらず、投与量や異なる性ホルモン合成酵素阻害剤についてさらなる検討を実施する必要性が示されたため、今後検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肥満モデルラットの動脈硬化度は増大し、有酸素性トレーニングにより低下していたことから、動物モデルは正確に確立できたが、性ホルモン合成阻害剤投与による各性ホルモンの分泌抑制が明確でなかったことから、今後、投与量や異なる性ホルモン合成阻害剤についてさらなる検討を実施する必要性があるため、現在、検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験において、今後、性ホルモン合成阻害剤の投与量や異なる性ホルモン合成阻害剤についてさらなる検討を実施する必要性があるため、現在、検討中である。また、ヒトの試験に関してもサプリメント摂取による性ホルモン分泌亢進が動脈硬化度に影響するかについても並行して実施する。
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