研究課題
長距離ランナーでは骨格筋細胞内脂質が多いにも関わらずインスリン感受性が高いことが明らかとなってきており、さらに肥満者などでも強度の比較的強い有酸素運動することにより同様の現象が生じうるということが明らかとなってきている。これら一連の逆説的な事象は「アスリートパラドックス」と呼ばれている。本研究では、アスリートパラドックスのメカニズム解明のため、本学陸上部の長距離ランナーから骨格筋サンプルを採取し、マイクロアレイ解析により新規候補遺伝子抽出を行った。対象は、長距離ランナーで特に骨格筋細胞内脂質が多く蓄積しているが、インスリン感受性が高く保たれている者5名とBMIをマッチさせた健常者7名とした。長距離ランナーでは、骨格筋細胞内脂質は健常者の4倍と極めて高かったが、インスリン感受性は両群とも同等で正常であった。骨格筋における遺伝子発現解析をマイクロアレイによる解析とその後のC2C12マウス筋管細胞を用いたin vitroでのスクリーニングによって、アスリートパラドックスのメカニズムに関わっている可能性が高い候補遺伝子を3遺伝子まで絞り込んだ。次年度は抽出された候補遺伝子に対してさらなるメカニズムの解明を行う。
2: おおむね順調に進展している
当初の研究計画に沿って順調に研究を行えている。
今後も共同研究者と緊密に連携を取りながら研究を進める。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件) 学会発表 (6件)
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