研究課題
脳および頭部へは3つの動脈(内頸・外頸・椎骨動脈)を介して血液が供給される。我々は先行研究において、各動脈の血流応答が運動(Sato et al. JP 2011)や様々な生理環境下で異なることを報告した。これら各動脈での血流応答の違いは、各動脈間の相互連関や独自の血流調節メカニズムがあると考えられる。運動を脳疾患や認知症予防に効率よく処方するためには、脳全体を統合的に捉えた血流調節機能を明らかにすることが必要不可欠である。本年度は、熱刺激及び起立ストレスによるpresyncope時の脳血流配分の変化を観察した。特に椎骨動脈血流波において、逆流血流が観察され、失神発症メカニズムとの関連が指摘された(未発表データ)。さらに、運動時の椎骨動脈血流と後大脳動脈血流との反応の差異が観察され、脳後方循環における血流反応の部位差が明らかとなった(Washio et al. Am J Physiol. 2017)。一方、心臓収縮力をドブタミン投与による心臓収縮力の増加に伴う脳血管へのストレスは、外頸動脈血流量の急激な増加により、軽減されることも明らかとした(Ogoh et al. Am J Physiol. 2017)。また、微小重力環境の脳動脈血流配分(Ogoh et al. Exp Physiol.2017)や動脈と静脈血流の運動に対する反応の差異について検討した(Sato et al. Physiol Rep 2017)。以上、本年度の研究において脳動脈及び静脈の血流配分の生理メカニズムにおける新しい知見を得、論文において公表した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 3件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件)
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