研究課題
近赤外時間分解分光法(NIRTRS)を用いた褐色脂肪組織評価指標(鎖骨上窩の組織総ヘモグロビン量)の妥当性を寒冷誘発性熱産生(CIT)(Yoneshiro et al. J Clin Invest 2013)と比較することにより検証した。その結果、両指標には有意な関連性が見られた。また、年代別、男女別の褐色脂肪組織の基準値と体組成などとの関連を検討するために、男女580名のデータを取得した。測定項目は、組織総ヘモグロビン量、体組成、内臓脂肪面積、安静時血圧、心拍数、身体活動量、栄養頻度調査とした。その結果、組織総ヘモグロビン量により評価した褐色脂肪組織は、年齢、男女により有意な差があることが判明した。また、組織総ヘモグロビン量は、体脂肪率と内臓脂肪面積と有意な負の関連があった。これらの結果は、the 13th International Congress on Obesity、1 - 4 May 2016 in Vancouver, Canadaにて発表予定である(タイトル:The association between body fatness and human brown adipose tissue: the evaluation by near-infrared time-resolved spectroscopy)。
2: おおむね順調に進展している
以下の点において、有意義な結果が得られたと判断できる。1)褐色脂肪組織評価指標(組織総ヘモグロビン量)と寒冷誘発性熱産生との間に有意な関連性が見出せた。2)組織総ヘモグロビン量と体脂肪率、内臓脂肪面積との有意な負の関連を見出した。3)これらの結果を国際学会で発表する予定である。
今後は、以下の点について検討する。1)褐色脂肪組織の年代別、男女別の基準値を作成するために、被験者数を増やす。2)褐色脂肪組織の量の個人差の要因(遺伝、生活環境、住環境、身体活動、栄養、ストレス)についての検討する。3)褐色脂肪組織の増加の方策(環境、身体活動、および栄養の改善、ストレスマネージメントなど)について検討する。
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Journal of Biomedical Optics
巻: 21 ページ: 1-8