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2015 年度 実績報告書

福島原発事故により長期的な避難生活をおくる子どもの福祉・教育課題への学際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15H03109
研究機関神戸親和女子大学

研究代表者

戸田 典樹  神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (70584465)

研究分担者 河村 能夫  龍谷大学, REC, 研究員 (10121625)
西田 奈保子  福島大学, 行政政策学類, 准教授 (10633688)
菊池 真弓  いわき明星大学, 教養学部, 教授 (20307789)
大友 芳恵  北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (20347777)
千葉 悦子  福島大学, 行政政策学類, 教授 (30217244)
田中 聡子  県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (30582382)
藤原 伸夫  神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (30733852)
大友 信勝  聖隷クリストファー大学, 社会福祉学研究科, 教授 (50085312)
勝木 洋子  神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (30083059)
深澤 茂俊  神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (70592591)
權 順浩  神戸親和女子大学, 発達教育学部, 講師 (70758614)
梶山 卓司  神戸親和女子大学, 文学部, 教授 (10717656)
門 道子  神戸親和女子大学, 発達教育学部, 准教授 (40758900)
伊藤 泰三  福山平成大学, 福祉健康学部, 講師 (20585632)
辻内 琢也  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00367088)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード福島原発事故 / チェルノブイリ原発事故 / 阪神・淡路大震災 / 被災者支援
研究実績の概要

本科研費研究を受託した平成27年7月初旬に所属大学に研究倫理委員会が設置され、倫理審査の承認を受ける予定だった。しかし、倫理審査委員会設置を決める教授会開催が遅れ、9月に研究倫理審査を受けることとなり、最終的に2月、3月に予定し ていた阪神・淡路大震災と福島原発事故における被災者の実態調査ができなかった。
このため、翌年の平成28年4月、5月に、神戸市などで復興住宅に入居し、契約期間満了を理由に退去を迫られている入居者に対してインタビューを実施した。さらに、加えて福島県会津若松市、福島市、郡山市、南相馬市を訪問し、原発事故避難者へのインタビューを実施し、遅れを取り戻した。
このような取り組みの結果は、日本村落研究学会においてシンポジウムで報告するとともに、報告書「チェルノブイリ原発事故被災者と阪神・淡路大震災被災者インタビュー調査から福島原発時避難者を考える」(掲載論文5本)(eブックマイン)としてまとめている。
また、阪神・淡路大震災における被災者問題として復興住宅入居者に対する退去問題などを取り上げ、被災者が抱えている問題を報告している「阪神・淡路大震災後22年に学ぶ」(掲載論文7本)を作成した。
そして、福島原発事故における被災者支援をテーマとして避難生活をおくる子どもたちが不安定な精神状態で生活していること、学習支援や遊び支援がこれらの問題に一定の役割を果たしていることなどを「福島原発事故後6年に学ぶ」(掲載論文5本)で報告した。これらの報告書の他にも避難生活を送る子どもたちへのNPO法人や学生ボランティアの支援活動をまとめた「福島原発事故により避難した子どもたちへの学習支援及び遊び支援に関する研究2016」(実践報告11本)、「福島原発事故により避難した子どもたちへの学習支援及び遊び支援に関する研究2016復興支援版」(実践報告8本、書評1本)を作成している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年に、明石書店から自主避難者の避難生活の実態を綴った「福島原発事故、漂流する自主避難者たちー実態調査からみた課題と社会的支援のあり方-」を出版している。また、ウクライナのチェルノブイリ原発事故被害の実態調査を行い、現地の被災者のインタビューを掲載した報告書「チェルノブイリ原発事故30年に学ぶ」(eブックマイン)を発行した。
そして、平成28年度には、日本村落研究学会において福島原発事故とチェルノブイリ原発事故を比較検討したシンポジウムを行うった。その内容に阪神・淡路大震災の被災者問題についての論文を加え、報告書「チェルノブイリ原発事故被災者と阪神・淡路大震災被災者インタビュー調査から福島原発時避難者を考える」(掲載論文5本)(eブックマイン)を作成している。
また、阪神・淡路大震災の被災者が入居する復興住宅の退去問題などを取り上げ、被災者が抱えている問題を報告している「阪神・淡路大震災後22年に学ぶ」(掲載論文7本)を作成した。
さらに、福島原発事故における被災者支援を行っている自治体職員やNPO職員とともに、避難生活をおくる子どもたちが二度と取り戻せない大切な時期に不安定な精神状態で生活していること、学習支援や遊び支援がこれらの問題に一定の役割を果たしていることなどを報告した「福島原発事故後6年に学ぶ」(掲載論文5本)を作成した。その他にも支援活動に参加する大学生たちによる「福島原発事故により避難した子どもたちへの学習支援及び遊び支援に関する研究2016」(実践報告11本)、「福島原発事故により避難した子どもたちへの学習支援及び遊び支援に関する研究2016復興支援版」(実践報告8本、書評1本)を作成している。

今後の研究の推進方策

平成29年度については、これまでに作成してきた「福島原発事故、漂流する自主避難者たちー実態調査からみた課題と社会的支援のあり方-」(明石書店)、報告書「チェルノブイリ原発事故30年に学ぶ」、「チェルノブイリ原発事故被災者と阪神・淡路大震災被災者インタビュー調査から福島原発時避難者を考える」、「阪神・淡路大震災後22年に学ぶ」(掲載論文7本)「福島原発事故後6年に学ぶ」(掲載論文5本)、実践報告「福島原発事故により避難した子どもたちへの学習支援及び遊び支援に関する研究2016」(実践報告11本)、「福島原発事故により避難した子どもたちへの学習支援及び遊び支援に関する研究2016復興支援版」(実践報告8本、書評1本)の成果をまとめて出版を企画している。
タイトルは、「福島原発事故避難者の明日を拓く」とし、明石書店から2018年3月11日に出版する予定である。内容としては、福島とチェルノブイリにおける原発事故処理対策の違いや福島と阪神・淡路大震災における住宅支援問題を題材とし、被災者からコンセンサスを得られるような社会的支援の提供の必要性を訴えようと考えている。例えば、2017年3月で打ち切りとなった自主避難者などに対する借り上げ住宅の家賃補助の再開である。未だ、自主避難した子どもへの「いじめ問題」が社会問題となり、精神的安定を確保する支援の必要性が指摘されている。
そして、その他にも心理的サポート、補償問題を法的問題から取り上げるなど、学際的な研究から福島原発避難者が安心して、生活が送れるよう社会的支援の必要性を訴えていきたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 福島第一原子力発電所事故による避難生活の問題2016

    • 著者名/発表者名
      田中聡子・戸田典樹
    • 雑誌名

      福祉臨床学科紀要

      巻: 第13号 ページ: 117-125

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [図書] 福島原発事故 漂流する自主避難者たち2016

    • 著者名/発表者名
      戸田典樹ほか
    • 総ページ数
      202
    • 出版者
      明石出版
  • [図書] チェルノブイリ原発事故後30年に学2016

    • 著者名/発表者名
      戸田典樹他
    • 総ページ数
      145
    • 出版者
      eブックマイン

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公開日: 2018-01-16  

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