昨年度、シュードトリペプチド(ケトメミシン)の生合成は以下の4つの酵素が関与することを明らかとした。①アルドラーゼ (KtmA);マロニルCoAとフェニルピルビン酸からのベンジルリンゴ酸CoAの生成、②デヒドラターゼ (KtmC);脱水反応によるベンジルフマル酸CoAの生成、③α-オキソアミンシンターゼ (KtmB); 2回目の炭素-炭素結合形成反応、④リダクターゼ (KtmF); 二重結合の還元。これら4つの酵素のオーソログをゲノムデータベースに探索した結果、4つの遺伝子全てを持つクラスターに加え、ktmFは持たないが、ktmA-Cとオルニチンシクロデアミナーゼの4つの遺伝子を共通に持つ遺伝子群を幾つかの微生物に見出した。そこで本遺伝子群が関与する代謝産物を明らかにするため、Streptomyces sclerotialus由来の推定生合成遺伝子群を近縁のStreptomyces lividansで異種宿主発現し、特異的に生産される化合物をHPLCで分析した結果、特異的な代謝産物を1つ確認した。現在、本化合物の精製と構造解析を行っている。
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