研究実績の概要 |
オートファジー誘導機構の制御:東京大学・水島教授より頂いたGFP-LC3-RFP-(LC3ΔG)という新たなオートファジー測定プローブを用いて,GFP-LC3-RFPを発現させるための高タイターウイルスを完成させ,プローブを発現する細胞株を樹立した.この細胞株を384ウェルプレートに播種し,翌日,標的既知化合物ライブラリーを細胞に添加し,24時間後に細胞の蛍光像を測定した.その後,画像解析により細胞面積部分を抽出し,GFPと RFP蛍光強度を定量することでオートファジー活性を測定した.その結果を階層的クラスリングによって網羅的に解析することで,がんと神経細胞におけるオートファジーの制御機構の違いを知ることができた.また,これまでにオートファジー誘導・阻害活性の報告のない4化合物を同定した. パーキンソン疾患治療薬シードSO286:SO286の結合タンパク質 (SOBP)の様々なドメインの欠失変異タンパク質を大腸菌に発現させて,ビオチン標識したSO286との結合実験を行った.その結果,SO286はSOBP1のN末端から182-219, 390-422,および435-470の3箇所に結合することがわかった. オートファジー細胞死誘導物質の探索:放線菌培養液1160サンプル,化合物ライブラリー320サンプルの中から放線菌2142A-36株をヒットとして取得した.放線菌2142A-36株を大量培養し,得られた培養液をヘキサンによる脱脂後,シリカゲルクロマトグラフィー,Sephadex LH-20 Lab PacksおよびHILICのセミ分取カラムを用いて単離精製を実施した.各種スペクトル解析の結果,ヒット化合物はCholest-5-ene-3b,7a-diolであることがわかった.
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