研究課題/領域番号 |
15H03118
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
細谷 孝充 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60273124)
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研究分担者 |
丹羽 節 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 研究員 (30584396)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 有機化学 / ケミカルバイオロジー / 分子プローブ / アジド / クリック反応 |
研究実績の概要 |
生命機能の発現機構を分子レベルで理解し、効果的に制御するための新しい方法論の開拓が求められていることを背景に、本研究では、所望の分子を標識する手法を新たに開発し、これを利用した斬新なプローブ分子による、実践的な生体分子機能解析技術の創出を目指し、独自に見いだしたアジド基の多彩な反応特性に関して精査した。平成27年度は、1.PETプローブ化を念頭に置いた高速クリック反応に関する検討、2.環状アルキンの金属錯体の反応性に関する研究、3.マルチモダリティー型分子プローブの迅速合成を目指した逐次クリック反応の開発に関して、それぞれ取り組んだ。高速クリック反応に関する検討の結果、ビシクロノニン類ときわめて効率よく反応し、アジド基と区別して利用できるジエン類を発見できた。さらに、計算化学を利用した設計のもと、ジエン類の反応性をさらに向上させることにも成功した。環状アルキンの金属錯体の反応性に関する研究においては、環状アルキン部位と末端アルキン部位とを併せ持ったジインに対して、さまざまな機能性アジドを末端アルキン部位で連結する手法の開発に成功するとともに、アルキン部位の保護に利用した銅塩を除去できる穏和な条件を見いだしたことから、多彩な機能性アジドから機能性環状アルキンを合成できる手法を確立できた。逐次クリック反応の開発に関しては、マルチアジド化合物の簡便合成法を確立するとともに、さまざまなアジドフィルを効率的に集積する手法を確立できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
高速クリック反応の開発、環状アルキン錯体に関する研究、逐次クリック反応の開発において、それぞれ、当初の計画を上回る有用な知見が得られたことから、当初の計画以上に進展していると自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度に見いだすことのできた知見を基盤にして、新規プラットフォーム分子の設計と連続反応による高機能性プローブの開発に取り組む。
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