研究課題/領域番号 |
15H03130
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田原 史起 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20308563)
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研究分担者 |
大澤 肇 中部大学, 国際関係学部, 講師 (00469636)
松村 史穂 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (50615953)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 都市=農村関係 / 県域社会 / 人的環流 / 中国 |
研究実績の概要 |
平成 27 年度は,本研究の準備年度として,以下の①,②,③,④の活動を同時並行的 に進め,微調整を行いながら研究対象を絞り込み,4 年間の研究の基礎固めを行った。 ① 調査対象県の選定:具体的にケース・スタディを行うフィールドとして,全国 6 県―延慶(北京),蓬莱(山東),ゼイ城(山西),余干(江西),西和(甘粛),晴隆(貴州)―を主たる候補としながら,研究分担者,研究 協力者の従来からの土地勘のある地域の県─河北省遵化県,上海市松江県,広西省靖西県,東北 諸県など─を補助的に用いた。 ②現地での予備調査・基本状況の把握;実際に現地に赴いて,調査地の県域社会に固有のコンテキストについて基本的な理解を得た。(a)地理的条件,(b)歴 史・社会・文化的条件,(c)経済的条件,さらに(d)政治的条件: 県行政組織,党組織,リーダー構成などである。 ③ 献資料収集とデータベース化; 第一に,「地方性文献資料」であるが,これらの収集は本課題の遂行には不可欠である。文献資料の多くは現地でのみ収集可能であるから,収集作業は上記②の予備調査と同時に行った。第二に,都市=農村関係 の主題に関わる海外の事例や理論的文献の収集についても,最新の研究成果について補充を行った。 ④ 問題意識の再統合;問題意識の再調整の過程では,年6回ほどのミーティングを開き、二つの作業を行った。第一に,選定済みの事例対象県域社会につ いて,各自の問題設定に関連する初歩的な「地図」と「年表」を作成した。第二に,メンバー間で選定した県域社会を,基本的な指標に基づいて,大まかに比較す ることで,各自の対象県の基本的特徴を中国の県全体の中に相対化して位置づけ,把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者、研究分担者、研究協力者は、それぞれの事例とする県域に関する文献調査を進め、そのうち甘粛省西和県、広西省靖西県については予備的なフィールドワークも実施できた。また香港中文大学での県域社会における関する資料収集も実施できた。また問題意識を練るための研究会も年6回ほど開催している。
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今後の研究の推進方策 |
今後においては初年度に収集した文献資料の解読と分析、および実際に県域に赴いてのフィールド調査を全面的に展開していく。
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