研究課題/領域番号 |
15H03156
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国哲学・印度哲学・仏教学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横地 優子 京都大学, 文学研究科, 教授 (30230650)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | インド哲学 / ヒンドゥー教史 / ヒンドゥー神話 / ヨーガ / パーシュパタ / シヴァ信仰 / プラーナ文献 |
研究成果の概要 |
本研究では、インドにおける中世の始まり(6世紀頃)において、ヒンドゥー教の主流がヴィシュヌ信仰からシヴァ信仰に転換することに注目し、文献資料と図像資料を併用して当時の両信仰の神話や教理を検討することで、インド中世前期の宗教文化の特徴を古典期と対置して明らかにした。なかでも『スカンダプラーナ』(550-650頃)という、シヴァ神話を体系的に叙述した最古の文献において、ヴィシュヌの化身神話がシヴァ神話の中でどのように包摂されているかを詳しく分析した。また最古のシヴァ教宗派であるパーシュパタ派のヨーガが、有名なパータンジャラではなく、ヒラニヤガルバのヨーガ体系に基づいていることも明らかにした。
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自由記述の分野 |
サンスクリット文献学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インド中世前期の宗教について、専門的な宗教者の説く教義や思想ではなく、その社会の普通の人たちに向けられた神話や寺院遺跡の図像などを資料として使うことによって、当時の社会の中で宗教文化がどのような役割を果たしどのように受容されていたかを知ることができる。また、学術的意義は、特に、インドの宗教文化を知る上で非常に重要であるプラーナ文献の一つについて、学術的に信頼しうる校訂本を英語のシノプシスおよび研究と共に出版したことにある。また、初期ヨーガ史に関して、パータンジャラの体系を最重要視するこれまでの定説を打破し、ヒラニヤガルバのヨーガ体系の重要さとシヴァ教ヨーガへの連続性を提唱したことは重要である。
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