研究課題/領域番号 |
15H03157
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
水上 雅晴 中央大学, 文学部, 教授 (60261260)
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研究分担者 |
小幡 敏行 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 准教授 (10285158)
鶴成 久章 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20294845)
名和 敏光 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (30291868)
武田 時昌 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (50179644)
石井 行雄 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60241402)
近藤 浩之 北海道大学, 文学研究科, 教授 (60322773)
高田 宗平 大阪府立大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (80597188)
末永 高康 広島大学, 文学研究科, 准教授 (30305106)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 年号 / 経書 / 術数 / 日本漢学 / 記録 |
研究実績の概要 |
年度当初に、(1)年号勘文資料収集と資料集の作成、(2)年号勘文資料の翻刻・影印、(3)資料の分析・考察と研究成果の発表、の3つの柱を立てて研究活動を実施した。以下、それぞれの項目に即して順に実施内容を説明する。 (1)については、国立公文書館内閣文庫および国立歴史民俗博物館に収蔵されている年号勘文資料の調査を本年度も継続し、前年度までに入手した資料・データと併せて研究を進めた。資料集作成に関しては、『元秘別録』全文8万字弱の入力を済ませ、編集・校訂作業を施した上で、(2)に説明する叢書の附録として刊行するための土台が整った。 (2)については、国立公文書館内閣文庫所蔵の年号勘文資料9点に対して解題を附した上で、5000頁からなる叢書として影印出版することが決まった。研究組織に属する研究者各自に担当する資料を割り当て、解題作成と編集作業を進めてもらっている。作業はかなり順調に進行しており、次年度内に出版できる見通しが立っている。 (3)については、本年度は、学術誌には2篇の論文を掲載し、国際学会を含む学術会議などにおける研究報告は4件実施した。内容は、年号勘文資料に引用されている漢文に施されている白点や角筆の実態、年号勘文資料所引漢籍テキストが持つ価値と日本国内に伝わる漢籍テキスト全体における位置づけに関わるものである。研究班内部の集まりでは、術数に関わる論考や年号制定に対する朝武関係の影響などの方面にわたるものも発表されており、研究内容の多様性が現出しつつある。それらの研究にもとづく報告は、次年度に対外的な発表の場でなされる予定である。 次年度からは研究成果の可視化が重要になるが、それを実現する準備は整いつつあると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
刊行された論文などの成果は、現段階において数量の面で必ずしも十分とは言えないが、年号勘文資料9点を影印し、それぞれに対して解題を附する叢書(5千頁)の刊行が次年度中に実現できる見通しとなっている。それのみならず、20名以上の研究者を集めて次年度に実施する国際シンポジウムの準備も着々と進んでおり、その後に編纂される論文集も併せると質量共に豊富で可視的な研究成果が得られる見込みが立っている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、5千頁からなる年号勘文資料集の影印出版と国際シンポジウム、という二つの大きな研究事業を予定している。そこで、研究班メンバー一人一人の担当作業とスケジュールを具体的に定め、相互の連絡を密にすることで情報の共有化を推し進め、さらに各自が担当している作業の進行状況をリアルタイムで確認することで、上記二つの事業の確実な遂行を図る。再来年度は国際シンポジウムで発表された論文をもとに編集する論文集の刊行も予定しているので、会議開催までに、司会者・コメンテーターの選定をはじめ、報告者が安心して論文発表し、かつまた参加者が活発な議論を展開できるための環境整備に力を注ぐ。以上の事柄を通して、研究成果の充実と十分な可視化が実現できるようにする。
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