研究課題
基盤研究(B)
ヨーロッパでは18世紀になると裕福な市民層から「ディレッタント」や「アマチュア」と呼ばれる芸術を職業としない愛好家たちが登場する。彼らは王侯貴族の芸術教育をまねて、音楽会や素描、朗読会などのサロンを主催し始めるのである。そうした芸術の市民化は、趣味の向上をもたらすだけでなく、新しい理想的な芸術家像を形作るモデルとなっていく。生業ではなく「芸術のための芸術」に携わることが尊いこととなり、現代に続く理想的な芸術家像がこの頃誕生したのではないだろうか。本研究では、ディレッタント活動の盛んであったドイツ、ヴァイマルに焦点を合わせて、近代的芸術家像の誕生を明らかにした。
美術史