工芸の展開―金属工芸鋳金における真土型鋳造法の研究―

2015 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15H03174
• 研究機関: 東京藝術大学
• 研究代表者: 赤沼 潔 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (30267687)
• 研究分担者: 橋本 明夫 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (10237927) ; 原田 一敏 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 教授 (20141989) ; 神庭 信幸 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, その他部局等, 研究員 (50169801)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2018-03-31
• キーワード: 芸術学 / 鋳造 / 真土型

研究実績の概要

２７年度初年度は、基礎研究として東京藝術大学に保管されている資料や、他大学、外部機関から鋳造に関する文献を元に研究を展開した。
また、国内で真土型鋳造の鋳型が発掘されて保存されているものの状況調査、現物調査を実施した。真土を用いて現在制作している鋳造所の調査も行ったが、現在は廃業しているところも多く、その廃業した鋳造所の内容を把握するための調査も行った。国外においては、中国の安陽の殷墟、西安の周原等において、保存されているそれぞれの時代の鋳型の現物調査を行った。また、青銅器の現物調査も同時に実施し鋳造法について考察した。
真土型による実制作においては、前半は遅れがちであったが、後半に中型鋳型の多種展開や、蝋型も含めて平滑な鋳造物の制作を実施し、良好な結果が得られた。他に真土型ではないが、イタリアで行われていた石膏による型取り法の貴重な資料を収集し、今回の真土型型取りの技法との共通性を認識し、アーカイブの一部に加えた。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

真土型鋳造法による実制作の展開で、前半なかなか進展せず、後半に集中したが、本来の研究目的からは多少遅れが出た。

今後の研究の推進方策

多少遅れはあるものの、当初の計画通り２８年度以降実施する。