研究課題/領域番号 |
15H03176
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
星野 幸代 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (00303587)
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研究分担者 |
葛西 周 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (00584161)
邵 迎建 徳島大学, ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (30375315)
アン ニ 明治学院大学, 文学部, 研究員 (70509140)
楊 韜 佛教大学, 文学部, 講師 (70614585)
西村 正男 関西学院大学, 社会学部, 教授 (80302652)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 移動 / プロパガンダ / 芸術 / 中国 |
研究実績の概要 |
1、国建国前夜のプロパガンダ・メディア表象――劇場文化と身体芸術のコラボレーション」第一回公開ワークショップを、2015年11月21日(土)名古屋大学で開催した。各報告者の演題は以下の通りである。(発表順)発表にはそれぞれコメンテーターを設け、最後に総合討論を行った。発表題目は次の通り。星野幸代「黎錦暉の中国近現代舞踊史における位置づけ」、葛西周「戦時下の趣味としての演奏活動:日本・台湾・中国を比較して」、西村正男「『萬世流芳』再考―音楽・伝統劇との関係から」、楊韜「中央青年劇社について」、邵迎建「日中合作映画 『春江遺恨』(狼火は上海に揚る)をめぐって」、晏ニ「分流するチャイナカラー 戦後日本映画と中華圏」 2、戦時期映画研究会を国立近代フィルムセンターで開催した。扱った映画は以下の通りである。 『劔雲鳴門しぶき (「阿波の踊子」改め)』(71分、マキノ正博監督、1941年)、『東洋平和の道』(99分、鈴木重吉監督、1938年)、『上海の月[不完全版]』(53分、成瀬巳喜男監督、1941年)鑑賞の後に、本科研メンバーのうち三人が関わる他科研グループより城山拓也氏(立命館大学言語教育センター外国語嘱託講師)、また民間研究者として、高橋政陽氏(元テレビ朝日記者)を加え、意見交換を行った。 3、各科研メンバーが国外にて資料収集を行った。行った場所は以下の通り:上海市档案館、上海図書館、香港大学図書館、台湾国家図書館、国民党党史館(台湾・台北)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は2012-2014年度科学研究費基盤研究(B)(研究代表者、分担者ともに同じメンバー)の発展であるが、前掲共同研究による研究成果を出版助成に申請し、そちらは不採用であった。そのため、それまでの研究成果を世に問えないままであるのは、本研究がより内外と切磋琢磨するに当たり、少々ネックとなっている。しかし、メンバーは新規研究課題において一年間それぞれ国内外で活発に研究発表、資料収集を行い、著しい発展をみた。共同発表としてはワークショップを秋に開催し、年度末には映画研究会を開催した。その段階で、中国・北京の清華大学日本学研究センターより研究テーマへの支持を得て、次年度では当該センターとの共催でワークショップを開催することが決定している。
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今後の研究の推進方策 |
28年度の重点地域を「(旧)満州・北京」と設定し、初年度と同様に調査・成果発表を進める。28年5月に日本比較学会中部支部大会で、本研究メンバー3名でパネルを出すことが決定している。さらに10月には、ワークショップⅡ「中国建国前夜のプロパガンダ・メディア表象――第二回」を清華大学日本学研究センター(中国・北京)と連携し、現地で開催することが決定している。開催後、各報告を論文集として共同刊行する。 最終年度は重点地域を「重慶・香港」とする。各メンバーが27,28年度と同様に研究活動を行うとともに、理論面及びマクロな視点での総括を並行して進める。その上で、総括としてシンポジウム「中国建国前夜のプロパガンダ・メディア表象―劇場文化と身体表象のコラボレーション」を開催する。
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