研究課題
本研究は、日本の近代における美術・視覚文化・表象文化の様々な局面における〈イコノクラスム〉、すなわちイメージの破壊の様態を明らかにし、さらにその 破壊のイメージが社会のなかで果たした意義を考察するものである。本研究の中心的な考察の対象は、近代日本におけるイメージの破壊をめぐる様々な事象である。イメージの破壊を扱う本研究においては、「近代」および「日本」の意味するところもまた問い直される必要があるため、近接する地域や時代の事例も扱う。また、問題意識の前提として、今日の社会において展開している破壊の様相をとらえ、研究の現代的意義を積極的に見出だすことにつとめる。本年は最終年度であり、国際シンポジウム「破壊と視覚表象――日本近代の〈イコノクラスム〉をめぐって」(早稲田大学、7月20日)及び第9回公開研究会(12月7日)を開催した。また各メンバーによる報告書執筆をすすめ、『研究成果報告書『日本近代における〈イコノクラスム〉――破壊をめぐる視覚表象研究』を刊行した。本成果は個々の研究者の達成に預かるものであるが、概観すると信仰と破壊、災害と破局、集合的記憶と忘却、美術と「書」、さらにイコノクラスムを受容する鑑賞者の時間といった主題が考察された。今年度に検討した諸事例は、研究プロジェクトの最終年度として、日本の近代において自明とされたものを問い直し、イメージの破壊をより広義の社会的文脈に開き、イメージをめぐる闘争の生じている様を明らかにするものであった。報告書は、〈壊れたもの〉による逆説的な視覚文化史の叙述のこころみとなった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (19件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
研究成果報告書『日本近代における〈イコノクラスム〉――破壊をめぐる視覚表象研究』
巻: 0 ページ: 5-12
巻: 0 ページ: 13-20
巻: 0 ページ: 21-30
巻: 0 ページ: 31-42
巻: 0 ページ: 43-50
巻: 0 ページ: 51-58
巻: 0 ページ: 59-68
巻: 0 ページ: 69-80
巻: 0 ページ: 81-120
巻: 0 ページ: 121-128
巻: 0 ページ: 129-140
巻: 0 ページ: 141-150
一寸
巻: 81 ページ: 58-69
『早稲田大学會津八一記念博物館研究紀要』21号(2020年3月)、pp.89~104、早稲田大学會津八一記念博物館
巻: 21 ページ: 89-104
『別府大学紀要』
巻: 61 ページ: 1-12
ISSN02864983
『如是我聞録』
巻: 0 ページ: 73-82
巻: 78 ページ: 69-76
巻: 79 ページ: 67-76
巻: 80 ページ: 69-76