福満:「安徽省貴池儺戯劇本資料集(1)」、「安徽省貴池儺戯劇本資料集(2)」、「安徽省貴池儺戯劇本資料集(3)」、「安徽省貴池儺戯劇本資料集(4)」を発表した。資料集(1)は、「呉仲立曲本」と書か荒れたものである。資料集(2)は、「邱村柯」村落で収集したものである。資料集(3)は、「縞渓曹」村落で収集したものである。資料集(4)は、劉街郷で収集したものである。これらの劇本を一つ一つ文字化していくと、明らかになってくることが少なくなかった。(1)~(3)は、曲が儺戯調とも言われる詩讃系の曲である。3・3・7句で始まる斉言体で、主に構成されている。また(4)では「高腔」と指定された曲が十曲ほどあり、これまでの三つの儺戯調とは質の異なる演劇であることが明らかになった。 加藤:研究成果の社会還元も兼ねて、明治大学東アジア文化研究所で中国の京劇・崑劇の関係者を明治大学に招き、以下の上演と講演を行った。 (1)5月31日(金)中国北方崑曲劇院 『牡丹亭』舞台上演、明治大学アカデミーコモンにて。(2)6月4日(火)崑劇特別講座 テーマ:崑曲『玉簪記・琴挑』について 講師:楊鳳一(北方崑曲劇院院長)。(3)7月8日(月)「琴芳梅蘭」梅蘭芳来日100周年紀念の講演と上演、北京の梅蘭芳記念館との共同開催。 7月9日に早稲田大学で行われた「梅蘭芳初来日公演100周年記念シンポジウム」にあわせて、中国語論文「1919年当時日本人的素養与京劇首次訪日公演」(中国・梅蘭芳記念館 日本・早稲田大学坪内博士記念演劇博物館 共編『東瀛品梅 紀念梅蘭芳首次訪日100周年専題学術研討会 会議手冊』pp.19-27)および日本語論文 「1919年当時の日本人の素養と京劇初来日」(同・pp.28-36)を発表した。
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