研究分担者 |
吉成 祐子 岐阜大学, 日本語・日本文化教育センター, 准教授 (00503898)
河内 一博 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 総合教育学群, 教授 (00530891)
守田 貴弘 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (00588238)
長屋 尚典 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (20625727)
古賀 裕章 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 講師 (40597241)
高橋 清子 神田外語大学, 外国語学部, 教授 (50364922)
夏 海燕 神奈川大学, 外国語学部, 助教 (80727933)
今里 典子 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90259903)
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研究実績の概要 |
言語による空間移動の表現には興味深い言語差がある。Talmy (1991)、松本 (2017)らは、移動の経路が表現されるのが文のどの構成素かという観点から、諸言語を分類してきた。しかしながら、経路の表現位置は経路のタイプによって異なる。本研究では、統一的な通言語的ビデオ実験によって、多様な経路の言語表現について10の言語において調査を行った。調査したのは、15の経路(FROM, TO, TOWARD, PAST, VIA (+BETWEEN/UNDER), ALONG, AROUND, INTO, OUT, ACROSS, THROUGH, OVER, UP, DOWN)である。 その結果、経路は、主動詞でコード化されやすいものから主動詞以外でコード化されやすいものまで、ゆるやかな序列があり、諸言語に共通のスケールがあることが示された。最も主動詞でコード化されやすいのはUP/DOWNであり、されにくいのはTO, FROM, ALONGである。諸言語において経路を主動詞で表現するかどうかという類型は、このスケール上でどの範囲の経路を主動詞で表現するかという観点から再定義できることを示した。この調査を行わなかった言語においても、この主張と一貫した傾向が見られることが分かった。 以上の成果は、日本言語学会のワークショップや国際シンポジウムにおいて発表され、国内外の学者によって議論された。
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