研究課題/領域番号 |
15H03213
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研究機関 | 札幌大学 |
研究代表者 |
時崎 久夫 札幌大学, 地域共創学群, 教授 (20211394)
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研究分担者 |
稲葉 治朗 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10323461)
塩原 佳世乃 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (30406558)
土橋 善仁 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (50374781)
那須川 訓也 東北学院大学, 文学部, 教授 (80254811)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 言語学 / 英語学 / 音韻論 / 統語論 / 形態論 / 類型論 |
研究実績の概要 |
研究目的は、階層的な形態統語構造が線形の音韻に外在化されるメカニズムを明らかにすることである。形態統語構造は普遍的なものとし、言語間の差異を音韻部門に限定する言語理論モデル(普遍統語論と媒介変数音韻論 (Universal Syntax and Parametric Phonology (USPP) を構築する。 このモデルでは、言語の実際の言語現象を統一的に説明する。従来考えられてきた形態統語部 門における媒介変数(パラメーター)を音韻論あるいは統語と音韻のインタフェースにおける媒介変数に置き換える。これにより、現在の生成文法理論を推進するミニマリスト・プログラムに 基づいて、言語の普遍性と同時に多様な差異を最小のメカニズムでとらえることができることを 示す。
研究実施計画(平成28年度)に従って、次の2つを行った。 1 公開ワークショップの開催:初年度の2回のワ ークショップに続き、ワ ークショップ第3回を9月に札幌大学、第4回を2月に新潟大学で公開で開き、研究代表者と研究分担者が初年度の研究とその後の展開について発表し、また外部研究者による研究発表を加えて、研究課題について討議した。 2 国内学会におけるワークショップの開催:初年度の研究結果を基に、国内学会(日本英語学会・日本言語学会など)で行われるワークシ ョップ企画に応募し、3名程度の発表を行う。これには海外の研究者も招聘し、発表とコメント をしてもらう。日程が可能であれば、その前日または翌日に続けて、残り2名プラス招聘研究者 や外部研究者による公開発表会を開き、全体の検討をする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に従い、公開ワークショップを継続して行い、第4回まで他の研究者を加えながら研究課題に取り組んでいる。これまでにも中間的な成果を国内外の学会発表している。 分担者との共同研究や、アイデアの交換などもスムースに行えるようになった。 また、刊行物として Phonological Externalization を、昨年度の第1巻に次いで、今年度第2巻を刊行、公開することができた。これにはワークショップでの研究発表成果などを論文にまとめたものが掲載されている。軌道に乗ってきたので、毎年1巻ずつ発刊することができる見通しがついた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も研究計画に従い、公開ワークショップを継続して行い、他の研究者を加えながら研究課題に取り組む。中間的な成果を国内外の学会で発表し、フィードバックを得ることによって推進する。 今年度は特に、アメリカ言語学会の夏季大会でワークショップを主催し、研究分担者、海外研究協力者、および一般応募者による討議を計画している。これによって研究の国際化を図る。また、最終年度に予定している、日本での国際ワークショップの基礎をつくる予定である。
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