研究課題/領域番号 |
15H03228
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
折井 麻美子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30334585)
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研究分担者 |
和氣 一成 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (10614969)
大賀 京子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40343016)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 発音ソフト / 教員研修 / 教職課程 / 英語音声学 / e-learning / 協働学習 |
研究実績の概要 |
発音ソフトの開発については、都内私大教育学部の『英語音声学』授業において実験授業を半期間にわたって実施し、発音ソフトの教育効果を判定テストのスコアの変化により検証した。その結果、発音ソフトの使用は、被験者の音素レベルおよび文レベルの発話(音変化等)の両方に有効であることが判明した。 また、被験者(受講生)のソフト使用に関する実験授業期間中のレビューシートの収集、およびソフト学習終了後に実施した意識調査により、各音声項目の信頼度や使用観の調査も合わせて行った。その結果、ソフトの使用についておおむね好意的な評価が得ることができた一方で、ソフト単体学習(ソフトを用いた発音練習だけの学習)では学習者は不満足であり、講師が直接指導する場の必要性についても認識する結果となった。この点を踏まえて、現職教員に対する研修の内容についても、分担者との協議を行ない、当初の予定よりも対面講習の分量を増やすことに決定した。また、長文を録音する形でのソフト発音練習だとターゲットが分かりづらく、短文による練習を望ましいと考えていることや、日本語との対比による練習、似ている音の発音の区別についての学習を必要としていることが分かった。現職教員の研修においても、ソフト単体発音練習ではなく、講師と対面で練習する場を設けることの必要性を改めて認識する結果となった。本年度の研究成果は、12th annual International Technology, Education and Development Conference (INTED 2017, Valencia, Spain)にて発表した (Orii & Oga, 2018).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成27年度(初年度)において、資料収集および国内外の教員研修に関する調査を実施し、平成28年度はその結果に基づいて、3種類の調査・デー タ収集を都内私大教育学部で実施し、教員研修のための基礎調査とした。その基礎調査の結果に基づいて、H29年度(3年目)は、一般向けの発音ソフトを実験授業で使用・効果の検証を行った。学習後にレビューシートの提出や、アンケート記入に基づいて、各回の指導内容の精査、発音ソフトの仕様の変更、レッスン構成の再考を行った。その結果に基づいて下半期に本格的な発音ソフト開発に着手し、年度末までに仕様を確定、音声の録音も終了することができた。平成30年度(本年度、4年目)は教員養成課程における本格実施、教員免許講習における音声指導講座の試行、および杉並区における現職教員研修(6ヶ月間)を実施することを予定しており、課題は順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
H30年度(4年目)の上半期は、(1)早稲田大学教職生を対象とした開発済み発音ソフトの試用調査および(2)免許更新講習での音声指導講習の実践とデータ収集を実施する。その結果を踏まえて講習内容を調整の上、下半期に杉並区における現職教員研修を実施する。 <具体的計画> (1)4月・5月:杉並区教育委員会と、早稲田大学教育・総合科学学術院間の連携・協働に関する協定書、 同教育インターンシップ に関する覚書を交わす。(2)6月・7月:開発した発音ソフトの早大教職生に対する試行とその効果を検証する。 (3)8月:教員免許講習における発音理論と発音演習の講習(6時間)と、発音・英会話指導スキル講習(6時間)の実践およびその 効果の検証を行う。 (4)8・9月:発音ソフト・音声指導研修の内容の調整を行う。 (5)9月―翌2月:杉並区での現職教員研修およびデータ収集を行う。 (6)3月:データ分析および報告
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