研究課題
本科研費プロジェクトは、2015年4月に京都大学人文科学研究所に共同研究班「現代/世界とは何か?:人文学の視点から」(2018年3月終了予定、共同班長:小関隆2015~17年度、山室信一2015~16年度、岡田暁生2017年度)を組織し、3年間にわたって共同研究を行った。研究班での議論に基づき、論文集のかたちで成果を世に送り出す準備を進められている。この論文集は同じく人文研の共同研究班「第一次世界大戦の総合的研究」(2007年度~2014年度)の成果である『現代の起点 第一次世界大戦(全4巻)』(岩波書店、2014年)を引き継ぐ意味ももっている。20世紀の真の起点である第一次世界大戦に始まる「ポスト第一次世界大戦の世紀」はいかなる展開を見せ、今日のわれわれが暮らす現代・世界はいかなる境位に達しているのか、本研究班の成果はいずれもこの大きなテーマにかかわる。成果は以下の4つに分類できる。第一に、われわれはいかなる「世界」に生きているのか、に関するさまざまな切り口(たとえば、「ヒューマニティの終焉」「グローバル市民社会」「身体性の変質」、等)からの考察、第二に、われわれが生きる「世界」はいつ始まっていたのか、に関する主として1970~80年代に照準を合わせた歴史的検討、第三に、現代・世界の一大論点となっている歴史認識をめぐる抗争の分析(とりわけ中東欧と東アジアの文脈で)、そして第四に、現代・世界において有効性を主張しうる新たな人文学(たとえば、「環世界の人文学」「ボロとクズの人文学」、等)の探求、巷間ささやかれる人文学の行き詰まりを打開するための方向性の提案、である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 図書 (4件) 学会・シンポジウム開催 (1件)