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2018 年度 実績報告書

中世後期守護権力の構造に関する比較史料学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15H03239
研究機関愛媛大学

研究代表者

川岡 勉  愛媛大学, 教育学部, 教授 (90186057)

研究分担者 片桐 昭彦  東京大学, 地震研究所, 特任研究員 (00796716)
古野 貢  武庫川女子大学短期大学部, 共通教育科, 准教授 (40382022)
遠藤 ゆり子  淑徳大学, 人文学部, 准教授 (70612787)
佐々木 倫朗  大正大学, 文学部, 教授 (80280907)
野田 泰三  京都橘大学, 文学部, 教授 (90335183)
新谷 和之  近畿大学, 文芸学部, 講師 (20825103)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2020-03-31
キーワード守護権力 / 中世後期 / 文書史料
研究実績の概要

7月21・22日(土・日)に研究代表者・研究分担者・研究協力者ら11名が集まり、浜松市(会場:浜松市博物館)において本年度第1回の研究会を開催した。ここでは、ゲストスピーカーである堀川康史氏による報告「南北朝期守護の発給文書とその役割」をはじめ、川岡勉「中世後期の守護職補任をめぐる一考察」、大石泰史「今川氏の発給文書とその特徴」、小谷利明「河内畠山氏の発給文書について」、佐々木倫朗「常陸守護佐竹氏と室町幕府の交渉について」、石川美咲「朝倉氏は大名別に料紙を使い分けていたのか」の6本の研究報告がなされ、これを踏まえて意見交換を行った。あわせて、浜松市博物館所蔵の中世文書(「寿量院文書」「中村文書」)を見学した。
翌年1月12・13日(土・日)には、松山市(会場:子規記念博物館・愛媛大学)で第2回研究会を開催し、研究代表者・研究分担者・研究協力者の9名が出席した。ここでは、川岡勉「出雲尼子氏・周防大内氏の発給文書と権力構造」、小谷利明「河内畠山氏の発給文書と権力構造」、新谷和之「近江六角氏の発給文書と権力構造」、古野貢「備中細川氏の発給文書と権力構造」、新名一仁「薩摩島津氏の発給文書と権力構造」の5本の研究報告がなされ、これを踏まえて意見交換を行った。あわせて、湯築城跡の見学を行った。
各自が取り組んでいる守護受発給文書の収集・整理・データベース化の現状を相互に確認しあい、課題や問題点について議論することもできた。中世後期の守護権力の歴史的性格を解明するという共同研究の目的達成に向けて、着実な成果が得られつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

各守護・分国支配の歴史的性格(出自,守護職獲得の経緯,守護職の変遷,権力基盤など)に関する共通認識が深まり、地域的な差異も明確になってきた。また、各自が取り組んでいる守護受発給文書の収集・整理・データベース化の現状を相互に確認しあい、課題や問題点について議論することもできた。中世後期の守護権力の歴史的性格を解明するという共同研究の目的達成に向けて、着実な成果が得られつつある。

今後の研究の推進方策

これまでに開催した研究会およびシンポジウムにおいて明らかになった点を整理しながら、史料の調査・収集・データベース化の作業を完成させる。また、今年度も2回の研究会を開催し、それぞれの調査成果を報告するとともに、受発給文書の分析から導き出される各守護の権力的特質や地域社会との関わりなどについて議論を行う。参加者全員で文書見学を行う機会も設けたい。
年度末には、公開シンポジウムを開いて5年間の研究成果を広く学界に還元する。あわせて、各守護家または国別の守護発給・受給データベースを収録したCD-ROMを添付した報告書を作成する。報告書には、守護職の変遷や各データベース作成の方針、データベースから読み取れる特徴、考察や研究の手引きなどを盛り込んだ解説(解題)を掲げてデータベース利用の便宜を供する。
以上の研究成果が提示されれば、中世後期の守護権力について議論する共通基盤の構築につながり、中世後期守護権力の構造的特質を解明する上で大きな手がかりになるはずである。

  • 研究成果

    (19件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 「赤穴郡連置文」に見える国人と守護被官人2019

    • 著者名/発表者名
      川岡 勉
    • 雑誌名

      資料学の方法を探る

      巻: 18 ページ: 38 - 45

  • [雑誌論文] 中世後期備後における守護支配と国衆2018

    • 著者名/発表者名
      川岡 勉
    • 雑誌名

      愛媛大学教育学部紀要

      巻: 65 ページ: 289 - 304

  • [雑誌論文] 板橋宿の研究動向とフィールドワーク授業の実践例2018

    • 著者名/発表者名
      遠藤ゆり子
    • 雑誌名

      淑徳大学人文学部 研究論集

      巻: 4 ページ: 67 - 82

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 田辺市中三栖・高地山城の遺構をめぐって2018

    • 著者名/発表者名
      新谷和之
    • 雑誌名

      和歌山城郭研究

      巻: 17 ページ: 114 - 118

  • [雑誌論文] 血深城跡2018

    • 著者名/発表者名
      新谷和之
    • 雑誌名

      和歌山城郭研究

      巻: 17 ページ: 13 - 14

  • [雑誌論文] 大向出城跡2018

    • 著者名/発表者名
      新谷和之
    • 雑誌名

      和歌山城郭研究

      巻: 17 ページ: 17 - 18

  • [学会発表] 出雲尼子氏・周防大内氏の発給文書と権力構造2019

    • 著者名/発表者名
      川岡 勉
    • 学会等名
      中世後期守護研究会
  • [学会発表] 備中細川氏の発給文書と権力構造2019

    • 著者名/発表者名
      古野 貢
    • 学会等名
      中世後期守護研究会
  • [学会発表] 近江六角氏の発給文書と権力構造2019

    • 著者名/発表者名
      新谷和之
    • 学会等名
      中世後期守護研究会
  • [学会発表] 中世後期の守護職補任をめぐる一考察2018

    • 著者名/発表者名
      川岡 勉
    • 学会等名
      中世後期守護研究会
  • [学会発表] 戦国期地域権力論からみた畿内・近国2018

    • 著者名/発表者名
      新谷和之
    • 学会等名
      日本史研究会
  • [学会発表] 紀伊の港津と権力2018

    • 著者名/発表者名
      新谷和之
    • 学会等名
      中世都市研究会
  • [学会発表] 空閑地の配置からみた和歌山城の特質2018

    • 著者名/発表者名
      新谷和之
    • 学会等名
      紀伊考古学研究会・和歌山城郭調査研究会・和歌山地方史研究会
  • [学会発表] 和漢年代記の改訂・増補と地震記事2018

    • 著者名/発表者名
      片桐昭彦
    • 学会等名
      歴史地震研究会
  • [学会発表] 年代記にみる中世後期の地震2018

    • 著者名/発表者名
      片桐昭彦
    • 学会等名
      前近代歴史地震史料研究会
  • [図書] 戦国時代の大名と国衆2019

    • 著者名/発表者名
      新谷和之
    • 総ページ数
      306
    • 出版者
      戎光祥出版
  • [図書] 戦国和歌山の群雄と城館2019

    • 著者名/発表者名
      新谷和之
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      戎光祥出版
  • [図書] 戦国期六角氏権力と地域社会2018

    • 著者名/発表者名
      新谷和之
    • 総ページ数
      341
    • 出版者
      思文閣出版
  • [図書] Land, Power, and the Sacred -The Estate System in Medieval Japan -2018

    • 著者名/発表者名
      野田泰三
    • 総ページ数
      532
    • 出版者
      UNIVERSITY OF HAWAI'I PRESS

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公開日: 2019-12-27  

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