研究分担者 |
山口 和夫 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (00239881)
林 晃弘 東京大学, 史料編纂所, 助教 (10719272)
今村 直樹 熊本大学, 永青文庫研究センター, 准教授 (50570727)
三澤 純 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (80304385)
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研究実績の概要 |
細川忠利が家督を相続し、次代の細川光尚による統治体制が整うまでの、元和~正保期における藩政史料群の大まかな構成は、以下の通りである。(1)細川忠利奉行宛発給文書・裁可文書原本(約2,300通)(2)細川忠興・忠利奉行等宛発給文書控綴り(約45冊3,400丁)(3)奉行衆発給文書控綴り(約270冊14,200丁)(4)細川忠利御諚・決裁控綴り(約83冊5,150丁)(5)奉行衆合議記録(約195冊12,420丁)(6)編纂物(約120冊12,000丁) 【史資料細目録の作成】本年度は、(2)(3)(5)(6)から約4,000件の細目録を作成することができた。 【研究成果の一般化に向けた活動】研究成果を一般に公開するため、文部科学省情報ひろばにて特別展示「近世熊本城の被災と復興」を開催した。また、熊本県立美術館との共催展「細川ガラシャ」を開催し、期間中の講演会にも数多くの来聴者が訪れるなど、多くの市民が閲覧した。以上により、我が国を代表する大名家資料群の細目録作成による、成果の学界共有と一般への公開を行うことができた。 【発給文書写等の分析】目録作成とともに発給文書写及び合議記録等の分析を進展させた。小倉藩・熊本藩細川家では、すでに元和・寛永期から、奉行組織の下部さらには在地社会レベルから政策原案が起案され、稟議的な原案検討過程を経て、政策形成がなされていた事実の詳細が明らかになった。 また、代表的な国持大名細川家では、1620年代に「元和の藩政改革」ともいうべき地方行政体系の改革が断行され、18世紀中葉の藩政改革の前提が形成されていた事実も明らかになった。その成果の一部は本年度に出版した『細川忠利 ポスト戦国世代の国づくり』にまとめて公表した。
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