南北朝～隋代における造像銘の調査及び史料集成とその総合的研究

2018 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15H03252
• 研究機関: 龍谷大学
• 研究代表者: 佐藤 智水 龍谷大学, 公私立大学の部局等, フェロー (40116463)
• 研究分担者: 都築 晶子 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00115601) ; 長谷川 岳史 龍谷大学, 経営学部, 教授 (00309105) ; 神塚 淑子 名古屋大学, 人文学研究科, 名誉教授 (20126030) ; 宮崎 洋一 広島文教女子大学, 人間科学部, 教授 (50258290) ; 市川 良文 龍谷大学, 文学部, 准教授 (70440881) ; 北村 一仁 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60748028) ; 岡田 至弘 龍谷大学, 理工学部, 教授 (30127063)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: 東洋史 / 仏教 / 道教像 / 造像銘 / 地域社会 / 女性の造像 / 邑義 / ジェンダー

研究実績の概要

30年度は4回の現地調査を実施した。①６月3～9日、研究代表者・分担者2人・協力者の計4人で、四川省成都市内3ヶ所の博物館の所蔵仏像調査と同市周辺の石窟摩崖石刻の調査を遂行した。成果として、「嘉興」という十六国西涼の年号のある「龍タ湾摩崖造像」は、造像様式と銘記文字が不適合で、再考されるべき遺跡と確認した。②７月26日、研究分担者（北村一仁）が単独で、陝西省西安碑林博物館で仏像・造像銘の調査を実施した。暗い展示室でも鮮明に映る機材を携帯し、文字不詳の確認作業を行った。③８月24～28日、代表者・分担者・協力者の3人で山東省にある3ヶ所の博物館所蔵仏像調査と泰安市東平県白佛山石窟の石刻銘調査。特段の成果として青州市臨シ区の斉文化博物館で近年初公開の女性邑義「北魏正光三年銘、張勝男等六十人造像」の四面銘記の移録に成功した。ジェンダーの視点からみて極上の史料であった。白佛山の石窟1号窟・2号窟が隋初仏教興起の雰囲気を伝える貴重な遺跡であることを確認。④10月26～31日、代表者・協力者の2人で、河北省南部の3ヶ所の博物館及び渉県カ皇宮摩崖刻経の調査。特段の成果は、旧祥符寺跡出土の隋代「観弥勒菩薩上生兜率天経碑」という稀見の刻経採録である。
国内では、東京国立博物館・書道博物館・永青文庫・大阪市立美術館にて造像及び造像銘調査を行った。また、東洋文庫に於いて龍門石窟拓本の調査を４回実施した。京大人文研で常時開催の雲岡石窟研究会・龍門石刻研究会（各月2回）に参加し、継続的に研究交流と情報交換を行った。科研の仏教石刻研究会を年10回実施し、収集した史料の整理と解読分析を進め、９月20日に成果報告会を開いた。目録作成としては「北周造像銘目録初稿」を完成し、適宜タイム・マップにデータを掲載した。タイム・マップは大学内外のアクセスを確認しつつ、適宜修正を行った。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] 管見 三夜荘 (2019)
  • 著者名/発表者名: 市川良文
  • 雑誌名: 三谷真澄編『大谷光瑞の構想と居住空間』、龍谷大学アジア仏教文化研究叢書15 巻: - ページ: -
• [雑誌論文] 龍谷大学図書館蔵「【寄託本】大谷光瑞師書簡」について (2018)
  • 著者名/発表者名: 市川良文
  • 雑誌名: アジア仏教文化研究センター2017年度研究報告書 巻: - ページ: 107-122
• [雑誌論文] 南北朝時期鄂豫地区的“蛮”和水陸交通 (2018)
  • 著者名/発表者名: 北村一仁
  • 雑誌名: 楼勁・陳偉編『秦漢魏晋南北朝史国際学術研討会論文集』中国社会科学出版社 巻: - ページ: 358-378
  • 査読あり
• [雑誌論文] 北朝～隋代における沁河流域の交通路―摩崖・石窟の位置を手がかりとして― (2018)
  • 著者名/発表者名: 北村一仁
  • 雑誌名: 東洋史苑 巻: 90 ページ: 38-90
• [雑誌論文] 中国宗教思想研究四十年 (2018)
  • 著者名/発表者名: 神塚淑子
  • 雑誌名: 名古屋大學中國哲學論集 巻: 17 ページ: 1-34
• [雑誌論文] プリンストン大学所蔵『顔文忠魯公文蹟』について (2018)
  • 著者名/発表者名: 宮崎洋一
  • 雑誌名: 汲古 巻: 73 ページ: 19-26
• [学会発表] 管見 三夜荘 (2018)
  • 著者名/発表者名: 市川良文
  • 学会等名: 大谷光瑞師遷化70年記念国際シンポジウム「大谷光瑞師の構想と居住空間
  • 国際学会
• [学会発表] 玄奘的佛身観 (2018)
  • 著者名/発表者名: 長谷川岳史
  • 学会等名: 第二届 慈宗国際学術論壇（主催：慈氏学会（香港））
  • 国際学会
• [学会発表] 玄奘における『仏地経論』と『成唯識論』の翻訳意図 (2018)
  • 著者名/発表者名: 長谷川岳史
  • 学会等名: 首届 玄奘与絲路文化国際検討会（主催：玄奘与絲路文化国際検討会組委会）
  • 国際学会
• [学会発表] 中古時期長治・高平地区的道路交通―従摩崖和石窟的位置来看 (2018)
  • 著者名/発表者名: 北村一仁
  • 学会等名: 第六届中国中古史前沿論壇曁全球史視野下的嶺南研究国際学術研討会（中国・広西桂林・広西師範大学）
  • 国際学会
• [学会発表] 北朝後期～隋代における洛陽・登封・鄭州・許昌間の交通路―佛教寺院・摩崖・石窟の位置を手がかりとして (2018)
  • 著者名/発表者名: 北村一仁
  • 学会等名: 第 2 回日本洛陽学國際シンポジウム 隋唐洛陽と東アジア（京都・京都大学）
  • 国際学会
• [学会発表] 中国の「中世」について―宗教史の視座から― (2018)
  • 著者名/発表者名: 都築晶子
  • 学会等名: 中国中世史研究会・秋季例会
  • 招待講演
• [学会発表] 北魏時代の女性主導による集団造像 (2018)
  • 著者名/発表者名: 佐藤智水
  • 学会等名: 戸隠の会（漢魏南北朝史研究会夏季合宿）
• [学会発表] 女性集団による道佛混淆像について (2018)
  • 著者名/発表者名: 佐藤智水
  • 学会等名: 科研報告会
• [図書] Mural Art,Studies on Paintings in Asia - Digital Reconstruction of Mural Panels from Temple no.15 at Bezeklik (2018)
  • 著者名/発表者名: OKADA,Yoshihiro, IRISAWA,Takashi, River Books
  • 総ページ数: -
  • 出版者: Xinjiang
• [図書] 新編 書道Ⅱ (2018)
  • 著者名/発表者名: 角井博・加藤東陽・宮崎洋一
  • 総ページ数: １２０
  • 出版者: 教育出版株式会社
  • ISBN: 9784316203584