研究課題/領域番号 |
15H03256
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
新井 由紀夫 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (30193056)
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研究分担者 |
都築 彰 佐賀大学, 教育学部, 教授 (20163850)
鶴島 博和 熊本大学, 教育学部, 教授 (20188642)
井内 太郎 広島大学, 文学研究科, 教授 (50193537)
吉武 憲司 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (60210671)
朝治 啓三 関西大学, 文学部, 教授 (70151024)
有光 秀行 東北大学, 文学研究科, 教授 (80253326)
苑田 亜矢 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 教授 (80325539)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 書簡 / 西洋中近世 / 史料論 / コミュニケーション / データベース / 中世政治社会 |
研究実績の概要 |
(1)コミュニケーションの視点から、中近世ヨーロッパの書簡を分析することが有効であることを、2回に及ぶ全体研究会(2017年5月19~20日、8月19~21日)で確認し、書簡の担った機能に着目した分類モデル化(主に中世イギリスに即したもの)を試みることで、本研究で扱い明らかにする主なテーマを絞り込んで検討した。 (2)理論的分野に関しては、書簡の定義や本研究で扱う射程を検討しつつ、研究代表者・分担者間で、研究会を重ねるとともに、とりわけ先行研究の多いフランスの中世文書学分野に関する理解の共有に努めた。 (3)中世政治社会においてなかば公的な書簡が膨大に現存しているものの、それらを個別史料として扱う研究しか存在しないという現状に鑑み、中世政治社会を実質的に機能させる上で重要な役割を担った書簡史料群に着目し、そのコミュニケーション機能を浮き彫りにする形で分析することで、これまでの公文書中心の中世政治社会史研究を補完するような研究にテーマを絞り行った(例えば、10世紀の「俗人」書簡、ペンブルック伯マーシャル家の書簡、ジェントリが受け取った貴族からの「行政」書簡など)。 (4)2016年に行ったキックオフ・シンポジウムをまとめた報告書を刊行した。本科研研究の論点整理とともに、作成した関係文献データベースを収録することができた。 (5)2018年5月20日に広島大学で行われる、第68回日本西洋史学会大会で小シンポジウムを本科研研究会主催で実施することが大会準備委員会により認められたので、上記(3)の成果を報告して意見交換を行うことし、その準備のための研究会を数回行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)本科研研究課題における成果をまとめるうえで、中世政治社会において書簡が果たした機能にテーマを絞り込み、それを第68回日本西洋史学会大会シンポジウムとして成果報告を行うことになった。 (2)2016年3月に行ったキックオフシンポジウムの報告書『「中・近世西欧における書簡とコミュニケーション キックオフ・シンポジウム報告書』(平成30年2月)を刊行できた。 以上の理由から、おおむね順調に進捗していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)2018年5月20日に広島大学で行われる、第68回日本西洋史学会大会で小シンポジウムを開催し、成果を報告し、学界での成果共有を図るとともに、多くの研究者と意見交換を行うことで、成果をまとめる方向性を確認する。 (2)学会大会シンポジウムで刊行した『「中・近世西欧における書簡とコミュニケーション キックオフ・シンポジウム報告書』を配布することで、広く意見交換を求める。 (3)学会大会シンポジウムでは報告者数が限られているので、研究分担者による個別研究の成果を共同研究として総括した著作をどのようにまとめ刊行するかについて検討する。
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