研究課題/領域番号 |
15H03271
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
矢野 健一 立命館大学, 文学部, 教授 (10351313)
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研究分担者 |
川村 貞夫 立命館大学, 理工学部, 教授 (20186141)
島田 伸敬 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (10294034)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 水中考古学 / 湖底遺跡 / ロボット / 画像処理 |
研究実績の概要 |
2015年度は計3回ロボットを用いた葛籠尾崎湖底遺跡調査を実施した。第1回は、矢野・川村が参加。2015年6月13日(土)、葛籠尾崎南端より150m東の水域で「海観」ロボット投入し、砂地でのハイビジョンカメラ撮影に成功。その後、seabotixに変更し、調査する。葛籠尾崎より東へ1~2㎞の水域4地点(水深50~60m)の湖底地形の画像撮影に成功するが、土器は未発見。 第2回は、矢野・川村・島田が参加。2015年8月24日(月)、葛籠尾崎南端から10~500m南の水域で6地点を調査(水深4~70m)。すべての地点で「海観」ロボットによる湖底地形画像撮影に成功。35°26’22.74″、136°08'49.66"付近(水深28.9m)で須恵器杯と思われる物体発見。35°26’25.22″、136°08'48.63"付近(水深44.9m)で須恵器杯と思われる物体発見。 第3回は、矢野・川村が参加。2915年11月29日(日)、葛籠尾崎南端より東~東南へ10~300mの水域で4地点調査し(水深3.8~61m)、「海観」ロボットによる湖底遺跡の画像撮影に成功するが、土器は未発見。 以上、3回の調査を含め、これまでの計10回の調査の概要報告を作成した。この報告は2016年度に公開予定。この調査の成果を受けて、川村はロボットを改良し、より詳細な画像を物体に接近して撮影できるよう小型カメラを搭載予定。島田は撮影された須恵器と思われる物体の画像処理を実施し、三次元画像を得た。 しかし、予期せぬ研究分担者交代のため、予定していた湖底微地形把握のためのマルチビーム測深器による調査が実施できなかった。適切な業者と担当者を探して2016年度に実施したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計3回の調査を実施することが出来た。湖底の地形撮影は成功しており、土器の発見も進んだ。画像処理の方向性も探ることが出来た。しかし、予期せぬ研究分担者交代のため、予定していた湖底微地形把握のためのマルチビーム測深器による調査が実施できなかった。適切な業者と担当者を探して2016年度に実施したい。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度は日本考古学協会や世界考古学会議でこれまでの調査成果を発表する。併せて、4回程度、湖底遺跡の調査を実施する。物体のより詳細な画像を得るためにロボットに別途、小型カメラを搭載するよう、改良する。2015年度に予定していたが実施できなかった湖底微地形把握のためのマルチビーム測深器による調査を適切な業者と担当者を探して2016年度に実施したい。また、調査成果のGISを用いた表示について、大学院生と協力して見やすい形で表示できるよう、工夫する。
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