研究実績の概要 |
『探検家ヘディンと京都大学』(2018年3月、京都大学学術出版会)をもとに、Tanaka Kazuko(ed.), Sato Ken'ei (photographed). The explorer Sven Hedin and Kyoto University, Kyoto University Press & Trans Pacific Pressを刊行した(2018年3月、A4変形判、オールカラー、272頁)。本書は、Section I: Album: Sven Hedin's Original Drawings, Reproductions Discovered in the Department of Geography, and Images of Tibet a Century Thereafter および、Section II: Reports: Hedin's Tibetan Expedition and Modern Japanという二部で構成される。すなわち、1世紀を隔てたチベット今昔を豊富な画像で伝える写真集・画集であるSection Iと、科学的探検家であるヘディンの1908年における京都滞在、京都帝国大学による歓迎、学術と芸術分野の多様な邂逅、漢籍を介した文科大学の東洋学者たちとヘディンの交流、ヘディンによる異文化表象ならびに地図製作の技術革新を伝える論文集であるSection IIである。本書の刊行後、ただちに、世界の主要な人文学ならびに東洋学(チベット研究、日本学を含む)の研究者や学生に活用されることを目的に、主要研究機関の図書館に献本した。日本語版に続いて英語版を刊行したことにより、探検家ヘディンとの学術交流を中心に,京都大学における人文学ならびに探検の伝統の初期の様相を広く社会に伝え,その今日的意義を国際的に情報発信することができた。
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