研究課題/領域番号 |
15H03278
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
中川 秀一 明治大学, 商学部, 専任教授 (00298415)
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研究分担者 |
西野 寿章 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (40208202)
藤田 佳久 愛知大学, 公私立大学の部局等, フェロー (70068823)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 農村地理学 / 共有林野 |
研究実績の概要 |
本年度は、2回の研究会と打ち合わせを実施し、各自現地調査を進めた。また、引き続き全国データの入力とその分析作業を継続的に行っている。昨年度来行ってきた現地調査及び文献研究成果を今年度は報告している。中川は、学会で今日の農山村の動向に関するシンポジウムをコーディネートし、報告と議論の内容を編集し、その概要を執筆して学会誌に掲載した。また、同様にこの分野における田園回帰に関する重要文献について書評を執筆した。西野は、群馬県を中心に現地調査を深めながら、関連事項に関する事例報告を重ねた。あらたに岩手県での踏査を進めその一部を報告した。藤田は、東三河山間部の事例研究の成果を報告しているほか、これまでの研究蓄積を踏まえ、三重県伊賀地域における育成林業についての貴重な業績を加えた。 全国データ入力については、岩手、山形、滋賀、新潟、石川、富山、京都、和歌山について新たに入力を終え、点検分析作業に入っている。耕地等の状況と共有林野との関係について試行的な分析をしているが、まだ明確な傾向を認めるには至っていない。こうした分析作業の結果、あらたに1990年度のデータを加えることとし、その点検作業を並行して進めているところであるが、これらについての成果はまだ得られていない。 現地調査については、各自それぞれが生産森林組合等の訪問調査を行っており、中川は愛媛県を中心に現地調査を深めつつある。県庁林務課の協力を得て、生産森林組合での聞き取り調査を展開する段階に入ったところである。西野は、兵庫県において県庁の協力を得つつ調査を進めた。すでにアンケート調査を行う段階に入っている。藤田は、山形で現地パイロット調査を行った。山形については、今後、共同調査も含め、調査研究方法を検討していくこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全国データ入力については、岩手、山形、滋賀、新潟、石川、富山、京都、和歌山について新たに入力を終え、生産森林組合の数の多い府県についての入力は概ね進められ、点検を含めた分析作業段階にある。耕地等の状況と共有林野との関係について試行的な分析を行っているところであるが、まだ明確な傾向を認めるには至っていない。あらたに1990年度のデータを加えることとし、その項目の選定をしたところであり、今後入力作業を進めていく。 現地調査については、各自それぞれが生産森林組合等の訪問調査を行っており、中川は愛媛県を中心に現地調査を深めつつある。県庁林務課の協力を得て、生産森林組合での聞き取り調査を展開する段階に入ったところである。西野は、兵庫県において県庁の協力を得つつ調査を進めた。すでにアンケート調査を行う段階に入っている。藤田は、山形で現地パイロット調査を行った。山形については、今後、共同調査も含め、調査研究方法を検討していくこととした。
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今後の研究の推進方策 |
全国データ入力の完成と分析作業を進める。現在行っている県レベルでの分析では、1970年のデータのみでは、明確な傾向を得られていない。今後の方向のひとつは、いくつかの県で、1990年データを加えた分析を行うことである。これらデータの追加を急いでいるところである。さらに全国データが完成すれば、全国の傾向を知ることができるが、これは経費の制約もあり、1970年のみの分析とならざるを得ない。変化の側面は、今後の課題となろう。 1970年時点での全国傾向(マクロ)、県レベルでの地域的傾向(メソ)に、現地調査による実証を進めていくことになる。現在は県庁や現地諸機関などと調整している段階にあり、今年度は本格的な調査を展開する計画である。 具体的には、愛媛県、長野県、兵庫県、群馬県、山形県などが対象となると想定している。
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