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2017 年度 実績報告書

集団的林野経営の歴史的展開と今日的課題に関する地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15H03278
研究機関明治大学

研究代表者

中川 秀一  明治大学, 商学部, 専任教授 (00298415)

研究分担者 西野 寿章  高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (40208202)
藤田 佳久  愛知大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (70068823)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード農村地理学 / 共有林野
研究実績の概要

入会林野近代化法によって解体が促進されてきた入会林野について1970年の林業センサスおよび1990年の農林業センサスの集落カードのデータを入力し、データベースの構築を進めた。予算の制約上、47都道府県すべてのデータを入力することはできず、入会林野の存続を図る制度的な枠組みである生産森林組合の設立数に着目し、生産森林組合数の多い18府県を取り上げた。また、愛媛県、三重県、兵庫県についての現地調査を継続的に行い、愛媛県の事例については、2017年秋の日本地理学会(三重大学)で学会報告を行った。さらに、スコットランドでCommunity Landownershipに関する現地調査を行い、2018年春の日本地理学会(東京学芸大学)でポスター報告を行った。データベース構築については、データの確認作業などに力を注いできたが、データ分析に着手し始めた。1970年時点の共有林の有無がその後の集落レベルの人口動向と相関がみられることが一部の府県で確認されることが明らかになった。こうした分析についてはさらに対象範囲を広げ、精緻な分析を行っていく。県別の事例分析については、三重県の事例について土地利用との関係から考察を行っており、さらに愛媛県については、市町村合併の関連した部落有林野の統一の複雑な過程を整理し、関連して生産森林組合の設立がなされてきたことを明らかにし、そのことが結果として地域重層的で多様な構造を持った生産森林組合と公有林の構造を作り出してきたこと、林業生産活動の停滞と生産森林組合の運営を担ってきた地域社会の過疎化と高齢化による弱体化のため、これらの複雑な構造の維持できるだけの地域的条件が失われてきており、徐々に生産森林組合活動が弱まってきた。他方、スコットランドにおいては、コミュニティ単位での土地共有が促進されていることを明らかにした。こうした分析をさらに進め報告していきたい。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 戦前の山村における町村営電気の展開と地域的条件-岐阜県を事例として-2018

    • 著者名/発表者名
      西野寿章
    • 雑誌名

      産業研究(高崎経済大学地域科学研究所)

      巻: 53-1/2 ページ: 3-19

  • [雑誌論文] 山村の内発性に学ぶ―共有林の地域的機能と地域づくり―2018

    • 著者名/発表者名
      西野寿章
    • 雑誌名

      東日本入会・山村研究会報

      巻: 10 ページ: 2-12

  • [雑誌論文] 日本における公営電気事業の系譜と今日的再評価への視点―戦前の県営 電気の成立と背景―2017

    • 著者名/発表者名
      西野寿章
    • 雑誌名

      経済論叢(京都大学経済学会)

      巻: 190-4 ページ: 69-88

  • [雑誌論文] 戦後の岩手県における農山村の電化過程についての覚え書き2017

    • 著者名/発表者名
      西野寿章
    • 雑誌名

      地域政策研究(高崎経済大学)

      巻: 19-3 ページ: 189-208

  • [学会発表] スコットランドにおける共有地創出の取り組み ―ハリス・ルイス島における土地改革の展開ー2018

    • 著者名/発表者名
      中川秀一・磯田弦・宮地忠幸
    • 学会等名
      日本地理学会春季学術大会(東京学芸大学)
  • [学会発表] フランス・ジュラ農村にみる 移住者の増加と田園生活 ーフランシュ・コンテ地域圏、カンティニ村の事例2018

    • 著者名/発表者名
      市川康夫・中川秀一・小川G.フロランス
    • 学会等名
      日本地理学会春季学術大会(東京学芸大学)
  • [学会発表] 愛媛県における入会林野再編の現在-集団的林野利用の課題2017

    • 著者名/発表者名
      中川秀一・西野寿章・藤田佳久
    • 学会等名
      日本地理学会秋季学術大会(三重大学)
  • [学会発表] 農村空間の商品化と「田園回帰」2017

    • 著者名/発表者名
      中川秀一
    • 学会等名
      日本地理学会秋季学術大会(三重大学)
  • [学会発表] 資源の過少利用問題と日本の農山村の行方2017

    • 著者名/発表者名
      中川秀一
    • 学会等名
      愛媛県公有林野対策協議会研修会
    • 招待講演
  • [学会発表] 「大規模野菜産地の持続要因-群馬県嬬恋村を事例として-」(シンポジウム・農 村空間の商品化は,地域活性化につながるか―カナダと日本の事例―)2017

    • 著者名/発表者名
      西野寿章
    • 学会等名
      日本地理学会春季 学術大会(筑波大学)
  • [図書] 「農村の内発的発展の位相」,小田切徳美・橋口卓也編『内発的農村発展論』2018

    • 著者名/発表者名
      中川秀一
    • 総ページ数
      361
    • 出版者
      農林統計出版
  • [図書] 「戦後のライフスタイルの変化と蚕糸業の縮小過程」,高崎経済大学地域科学研 究所編『日本蚕糸業の縮小過程と文化伝承』2018

    • 著者名/発表者名
      西野寿章
    • 総ページ数
      236
    • 出版者
      日本経済評論社
  • [図書] 「燃焼科学システムの創造:キンセイ産業」,高崎経済大学地域科学研究所編『地方製造業の展開-高崎ものづくり再発見-』2017

    • 著者名/発表者名
      西野寿章
    • 総ページ数
      350
    • 出版者
      日本経済評論社

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公開日: 2018-12-17  

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