研究課題/領域番号 |
15H03286
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大河原 知樹 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (60374980)
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研究分担者 |
堀井 聡江 桜美林大学, 人文学系, 准教授 (20376833)
伊藤 知義 中央大学, 法務研究科, 教授 (00151522)
磯貝 健一 追手門学院大学, 国際教養学部, 教授 (40351259)
宮下 修一 中央大学, 法務研究科, 教授 (80377712)
桑原 尚子 早稲田大学, 法学学術院, その他(招聘研究員) (10611361)
磯貝 真澄 京都外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師 (90582502)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | イスラーム法 / 民法 / 比較法 / 中東法 / オスマン帝国 |
研究実績の概要 |
今年度は、オスマン民法典(メジェッレ:以下М法典)に関する研究会を6回(4月~1月)実施するとともに、本研究の重要事業である国際ワークショップを実施した。研究会においては、第6編「預託物」および第7編「贈与」の訳文検討を実施するとともに、そのイスラーム法的な特徴と中東法としての位置づけを試みた。特に問題となったのが、受寄者が寄託者に預託物を返還する際に介在するアミーン/エミン('amin/ emin)をどのような役割と解するべきかという点であった。日独民法の「占有補助者」との比較の観点から討論がなされたが、最終的には、イスラーム法、中東法のアミーン/エミンは「占有補助者」とは異なる性質をもつ存在であると結論した。 国際的な研究の発信という点では、代表者である大河原が、9月にトルコで開催された国際シンポジウムInternational Mecelle Symposiumに招待され、М法典のlegal translationに関する発表を行い、М法典の専門家たちと交流するという機会を得た。また、11月に、当初からの計画どおり、米ユタ大学法学部教授のシブリー・マッラート氏を招聘して国際ワークショップMaking of the Modern Islamic Law: The Majalla and Middle Eastern Movement of Codificationを開催し、19世紀レバノンの司法制度の実態に関して、重要な知見を得ることができた。これらの国際シンポジウム、ワークショップは、海外に本研究を知らしめる重要な機会となったと考えられる。 そのほか、分担研究者、連携研究者、研究協力者が、本研究に関連する個別研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度は、本事業の重要事業である国際ワークショップを実施したほか、代表者である大河原がトルコから招待を受けて、国際シンポジウムで発表し、多くの専門研究者と交流・意見交換する機会を得た。これは、本研究の重要性がМ法典研究の国際的な中心であるトルコでも認知され、かつ評価されたことの証左であり、今後の研究活動にも大きなプラスをもたらすと期待される。
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今後の研究の推進方策 |
3年目に研究で大きな進展を見せることができたため、海外の研究者との共同研究を進めることも視野に入れつつ、当面は着実に基礎研究を進める。
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