研究課題/領域番号 |
15H03287
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井上 和治 東北大学, 法学研究科, 准教授 (20345250)
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研究分担者 |
古谷 豊 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (00374885)
大内 孝 東北大学, 法学研究科, 教授 (10241506)
犬塚 元 法政大学, 法学部, 教授 (30313224)
岩田 美喜 立教大学, 文学部, 教授 (50361051)
大河内 昌 東北大学, 文学研究科, 教授 (60194114)
鹿子生 浩輝 東北大学, 法学研究科, 教授 (10336042)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 当事者対抗主義 / 弾劾手続 / 議会政治 / 党派対立 |
研究実績の概要 |
2017年度も,前年度に引き続き,いわゆる「長い18世紀(long eighteenth century)」のイングランドにおける当事者対抗主義の展開につき,各々の研究分担者が,各々の専門分野(法制史学,政治思想史,経済思想史,文学史)という多角的な観点から研究を進めるとともに,その成果の一部を各種学会における研究報告や著書・論文の公表というかたちで世に問うた。 いずれの研究実績も,本研究の柱をなすデータベース(Eighteenth Century Collections Online)に収録されている一次史料をもとにして(近年の英米における最新の研究動向も適宜参照しつつ),特定のテーマに関して対抗的な言説が行われる場合につき,そのような言説の基礎をなすところの,18世紀イングランドにおける政治的な党派対立,さらには,社会的・文化的な構造に切り込むものであり,それぞれ有益な知見を得た。 まず,本研究の政治システム班は,同時代の議会政治に直接参加した政治家であるEdmund Burkeの言説を詳細に分析・検討し,また,法システム班は,刑事司法を巡る各種の動向のうち,(弾劾裁判という本研究の主要テーマからはやや離脱するが)刑事証拠法という極めてテクニカルな領域に光を当てた。その他の班の各研究代表者は,Niccolo Machiavelliの政治思想,James Steuartの経済思想,William Blackstoneのイングランド法に関する注釈書,William Butler Yeatsの文学作品,Samuel Taylor Coleridgeの文学作品を素材として,同時代の当事者対抗主義的な言説の在り方につき,詳細な分析・検討を加えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①本研究課題の柱をなすデータベースであるEighteenth Century Collections Onlineに収録されている一次史料が極めて膨大であること,②ひとつの一次史料を手掛かりに,様々な派生的な史料を分析・検討する必要が生じてくるため,個々の史料に関する分析・検討に予想以上の時間がかかっていること,③近年の英米の学会では,18世紀イングランドに関しする研究の発展が著しく,数多くの二次文献を渉猟する必要があること等の理由により,研究の進捗状況としては,「やや遅れている」状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は,本研究課題の最終年度に当たり,残された時間も限られているため,合計4年間にわたる研究全体の総括を行うとともに,これまでの研究成果のうち,昨年度までに公刊を見ていない部分につき,論文の公刊を目指すことにしたい。
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