本年度は基本課題②「国内立法と国際的法形成の民主的答責性保障」について研究を進めるとともに、この課題②への応答と基本課題①「国内立法と国際的法形成の分業原理再編」への応答とを整合化し理論的に統合するための総括作業を行った。またいくつかの場で、本科研の研究成果を発信した。 2017年度IVR世界大会(開催地は当初予定のイスタンブールからリスボンに変更された)にて、研究代表者井上と4名の連携研究者が、本科研の研究と関連する論文を発表した(詳しくは研究業績リストを参照)。 また本年度は、研究代表者・連携研究者などが集まる研究会合を5回開催し、議会民主政作業班会合を1回開催した。世界正義論の文脈では、第2回会合(7月1日)において、民主的平等の立場が世界正義について持つ含意について検討がなされ、第5回会合(3月17日)において、リベラルな中立性について検討がなされた。また立法理学と関連して、第3回会合(10月7日)と第5回会合(3月17日)において、法の支配などの問題について検討がなされた。第1回会合(5月20日)と第3回会合(10月7日)、第4回会合(12月9日)においては、移民難民問題が話し合われ、この問題については一層深い検討が必要であることが確認された。そこで、これについては、新規に採択された科研において、更に研究を進めていくこととした(採択済み)。 また今年度は、特に研究代表者井上が著書3点(いずれも共著)を刊行し、これらの中で、本科研の研究成果の一部を社会に発信した。
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