1.国内実態調査 「ソーシャルファームジャパンサミットinよこはま」に参加し、最新情報を得た。 2.海外実態調査 北欧を中心とするヨーロッパ諸国の調査を行い、以下の知見を得た。 ①デンマーク 警察庁長官、企業 CEO 連絡会議議長、労働大臣が中心となり2006年に創設した、「ハイ・ファイブ」と呼ばれる犯罪者等の就労支援機構がある。また、保護観察は全てソーシャルワーカーが担っているため、対象者を地方自治体の就労・福祉支援へつなげ易い。②スウェーデン 各自治体の福祉部局は、失業者や生活困窮者のみならず、刑務所出所者等も含めた福祉・就労支援について責任を負う体制となっている。③ベルギー 2015年以降、社会内処遇の所管が連邦政府から地方政府である言語共同体へ移行した。うちフラマン言語共同体では、福祉・保健・家庭局が保護観察等を所管している。特徴的な取組みとして、家庭内暴力・児童虐待・高齢者虐待の被害者を保護し、家庭を支援する組織「ファミリー・ジャスティス・センター」があり、警察官、検察官、犯罪学者、ソーシャルワーカー、カウンセラー等が施設内の同一のオフィスでデータベースを共有しながら連携して問題解決に当たっている。④オランダ 関係機関が連携して包括的支援を行う「セイフティ・ハウス」が地域単位で設置されており、警察官・検察官・保護観察官・自治体職員等がオフィスやデータベースを共有しながら非行少年や累犯者の地域支援を行っている。 3.講演会の開催 罪を犯した少年・若年成人の対する就労支援を積極的に行っているオランダのNGO「The Foundation 180」理事長のイルマ・ファン・デア・ヴィーン氏を招き、講演会「『犯罪を行った者』の再統合のための革新的方法」を開催した。また、シンポジウム「北欧における犯罪者処遇の現在―フィンランド・デンマーク・スウェーデン調査結果報告会―」を開催した。
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