研究課題
当該年度は研究期間の最終年度にあたり、これまでの研究成果を踏まえてこれを深化・精緻化する方向での研究の総括が目指された。第一に、関連資料・情報の収集については、資料収集に関する最後の不足分を補いながら、英国における資料調査・文献収集・インタビュー等が実施され、本研究の課題に沿う調査のサイクルが終了した。第二に、研究の総括としては、2018年度日本政治学会大会において、代表者・横田を含む本科研参加者を中心メンバーとする分科会が企画され、年度末に成蹊大学を会場とする総括的研究会が実施された。政治学会大会分科会C4「公募企画・恒常的緊縮の政治的・政策的帰結の国際比較」においては、報告「恒常的緊縮下の政策選択と政党間競争:日米の事例から」「増税の政治学―ドイツにおける付加価値税改革の政治過程」「財政再建国家の政治的帰結―オーストラリアを事例として」をめぐる討論が行われた。ドイツにおいては、財政再建目標の制度化やルーティン化が顕著であり、狭い意味での政治の介入の余地が少ないのに対し、オーストラリアでは財政再建国家化の方向性が傾向的に強まっているものの、政権交代の影響をそれなりに無視できないこと、日米ではそもそも欧州諸国に一般的な「恒常的緊縮」という枠組み自体が当てはまらない可能性が高く、政治的要因による緊縮と緩和の波が観察されることが指摘された。年度末研究会では、「財政再建の謎―なぜ緊縮財政が主張されるのか」と「南欧における運動政党の比較研究」という論題のに報告に対する質疑・応答が行われたが、やはりここでも日本の例外性が確認され、むしろ「緊縮財政」レトリックの出現のメカニズムに焦点が当てられた。南欧の事例では、高強度緊縮政策と政党システムの崩壊・再編の関連性についての議論が行われた。本共同研究の総合的な成果発表の可能性は、2019年度以降も引き続き模索されることで合意されている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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