研究課題
本研究は、先進民主主義国の議員交代比率(legislative turnover)に注目し、各国の比較分析、特に小選挙区制・二大政党制を採る、いわゆるウェストミンスター型の国々の比較を通じて、議員交代比率を規定する要因と、議員交代比率の高さがもたらす政治的・政策的帰結を明らかにすることを目的とした。こうした目的を達するため、本研究においては、第一に、議院内閣制の国々、特に二大政党制の国々を対象として、議員交代率の高さ(低さ)の政治的帰結を分析する。与党の政策形成、野党の議会戦略について、①帰納的に各国の実情を文献研究・インタビュー、日本については議員へのアンケート調査を通じて分析し、第二に、議員交代率を規定する要因について、マルチレベルの政治競争等、従来の研究で見過ごされてきた独立変数を取り込むことで、より包括性の高い説明を因果メカニズムとともに提示しようとした。具体的に、平成30年度においては、これまでの調査にもとづいて、研究の取りまとめをはかった。議員交代率は、政党が安定的な組織基盤を有している場合には、安定的に推移し、また政党が十分な組織基盤を有しない場合には、大きく変動する傾向を持つという意味で、政党組織の特徴を反映した帰結であり、政党組織の特徴を明らかにすることこそが課題であり、今後政党組織論をより実証的に発展させていく必要があることが明らかになった。他方で、日本の政党組織の特徴を解明すべく実施した議員調査に基づいて、いくつかの研究成果を出すことができ、一定の有効な成果が得られたものと考えられる
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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