研究課題
基盤研究(B)
本研究では、各国の議員交代率に注目し、小選挙区制のもとで二大政党制をとるイギリス、カナダを日本の比較対象として取り上げ、議員交代率がもたらす帰結とその要因の分析を試みた。研究の過程では、議員交代率のブレは、政党地方組織の基盤と強い関係をもつことが明らかにされた。マルチレベルの政党組織への注目を通じて、日本とカナダの政党政治の類似性を明らかにし、またイギリス、カナダ、日本の政党政治にかかわる多くの研究成果を公表した。
政党政治
日本の政治改革ではイギリス型の二大政党制が目指されていたと思われるが、日本の選挙制度改革によってもたらされたのは、カナダ型、激変型の二大政党制であった。後者の二大政党制は、弱い政党地方組織を特徴とするものであり、本研究は、カナダの政党政治と日本の政党政治に従来あまり注目されることのなかった類似性が存在することを明らかにし、それを通じて今後日本や各国の政党政治を捉える上での新たな視角を提起した。