研究課題
基盤研究(B)
本研究では、日本社会のマイクロシミュレーションモデルであるINAHSIMを拡張して計量分析を行い、具体的な成果として、将来の高齢女性の貧困化の問題を明らかにした。公的年金制度は、専業主婦世帯を念頭に制度が構築されていが、女性のライフスタイルが大きく変容し、昨今では、専業主婦になる女性が大幅に減少した。こうした女性の多くは、両親が他界したり、本人が高齢者になったりすると、貧困化が避けられない。モデルの推計結果によると、生活扶助基準未満を貧困と定義した場合、高齢男性の貧困率はそれほど上昇しないが、高齢女性の貧困率が現在の2倍以上25%にも達することが得られ、制度改革が急務であることを示した。
応用計量経済学