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2015 年度 実績報告書

中国における所得格差の長期変動

研究課題

研究課題/領域番号 15H03340
研究機関一橋大学

研究代表者

佐藤 宏  一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50211280)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード経済事情 / 経済政策 / 所得分配 / 中国
研究実績の概要

本研究の目的は、市場経済化の初期段階(1980年代)から今日に至る中国の所得格差の長期変動を、全国的代表性を有する世帯調査にもとづいて、(1)都市・農村格差、(2)資産格差、(3)公共政策を通じた所得再分配などの側面から多角的に分析し、所得格差の拡大が中国の経済発展と経済システム移行に与える影響を明らかにすることにある。この目的を達成するために、平成27年度においては以下のように研究活動を実施した。
第1に、研究代表者も参画する中国の世帯所得変動に関する国際共同プロジェクト(CHIP調査)にもとづいて、賃金、自営所得,帰属家賃など主要な所得項目の時系列的整合性、生計費の地域的差異(地域別PPP)などの問題に注意を払いながら、1980年代後半から2013年までをカバーする世帯所得分布の作業用データセットを作成した。第2に、作業用データセットを活用して、平成28年5月に北京で開催される所得格差に関する国際ワークショップでの発表に向けて、中国農村における世帯所得構造の長期的変動と公共政策(税制、社会保障、生産補助金など)の所得再分配効果に関するディスカッションペーパーを執筆した。第3に、人口・労働、財政、社会保障など所得分配に関連の深い分野に関する全国および地域別の公式統計を系統的に収集すると共に、戸籍管理、社会保障、税制などに関する制度改革と政策動向のレビューを行った。第5に、研究成果の一部として、査読付き論文2本(都市の規模と就業・所得機会創出との関係に関する英文論文1本および農村における協同組合的組織と農業所得の関係を論じた和文論文1本)を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1980年代後半から2013年までをカバーする中国の世帯所得変動に関する作業用データセットを作成し、それにもとづいて国際ワークショップ向けのディスカッションペーパーを執筆した。査読付き論文2本(和文1本,英文1本)を発表した。

今後の研究の推進方策

平成28年5月開催の国際ワークショップにおける論文発表と研究交流にもとづき、引き続きデータセットの整備と分析を進め、ディスカッションペーパーとしてまとめたうえで、順次学術誌等に発表していく。研究課題に関連する分野別・地域別統計の収集と、制度・政策のレビューを継続し、分析に反映させる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件)

  • [国際共同研究] 北京師範大学/復旦大学/中国社会科学院(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      北京師範大学/復旦大学/中国社会科学院
    • 他の機関数
      2
  • [国際共同研究] エテボリ大学(スウェーデン)

    • 国名
      スウェーデン
    • 外国機関名
      エテボリ大学
  • [雑誌論文] 中国農民専業合作社の経済効果の実証分析2016

    • 著者名/発表者名
      寳剱久俊・佐藤宏
    • 雑誌名

      経済研究

      巻: 67 ページ: 1-16

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Inclusive Urban Employment: How Does City Scale Affect Job Opportunities for Different People?2015

    • 著者名/発表者名
      Gao Hong, Ming Lu, and Hiroshi Sato
    • 雑誌名

      Asian Economic Papers

      巻: 14 ページ: 98-128

    • DOI

      10.1162/ASEP_a_00352

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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