第1に、日本の家計に関する政府統計の特徴をまとめた。各調査の基本的な情報を整理し、さらに異なる調査で報告された同じ変数間の整合性を確認した。その結果、一定の標本の偏りが発生していること、変数の定義が調査によって違いがあること、消費などで測定誤差の問題が発生していること、などを明らかにした。第2に、政府統計の問題点を補正し、家計行動を包括的に把握するデータを構築した。このデータにより、マクロ貯蓄率の低下が高齢化では完全には説明できないことを示した。第3に、情報通信技術の発展を活用したデータの構築に向けて準備を進めた。試験調査を実施し、最終年度応募の枠組みを活用して新たな研究課題を立ち上げた。
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