研究課題
本研究の目的は、グローバルなオープン・イノベーション(他組織との連携を通じた技術、製品・サービス等の開発)のマネジメントがどのように行われているのかを明らかにし、その取り組みが企業の新たな価値創造に与える影響を、詳細な定性的・定量的調査を通じて実証的に分析することにある。そこでは、オープン・イノベーションに関する既存研究では必ずしも十分に検討されてこなかった、本国親会社と海外子会社のグローバルな連携やオープンとクローズドとの中間に位置するグループ企業との連携(グローバル・セミオープン)、海外子会社と現地企業・機関等との連携(グローバル・オープン)が新たな価値創造に及ぼす影響に着目する。本研究では、そのようなグローバルなオープン・イノベーションのマネジメントと、それが新たな価値創造に与える影響を実証的に分析することによって、これまでのオープン・イノベーションに関する研究を前進させるとともに、新たな理論的、実践的含意を導くことを目的としている。新型コロナウィルス発生後は、追加の海外調査を行うことができなかったが、追加の資料収集、これまでに行ったインタビュー調査および質問票調査の再検討を行った。その結果、本国親会社と海外子会社のグローバルな連携やオープンとクローズドとの中間に位置するグループ企業との連携(グローバル・セミオープン)は、海外子会社と現地企業・機関等との連携(グローバル・オープン)よりも多くみられ、知的財産と利益の占有可能性も高く、新たなイノベーション(価値創造)に貢献していることが明らかになった。ただし、海外子会社と現地企業・機関等との連携(グローバル・オープン)も、現地人と日本人の知識・情報のミックスによる相乗効果を生み出し,一定程度新たなイノベーション(価値創造)に貢献していることが明らかになった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Journal of Services Technology and Management
巻: 27 ページ: 351-369
日本知財学会誌
巻: 17 ページ: 4‐22