研究課題/領域番号 |
15H03381
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高橋 与志 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (80325208)
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研究分担者 |
佐土井 有里 名城大学, 経済学部, 教授 (20387757)
黒川 基裕 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (30363774)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 人材育成 / 職場への移転 / 生産管理 / アジア / 製造業 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、まず前年度末のワークショップ(WS)での報告内容に基づいて5本の論文に取りまとめ、10月にバンコクで開催されたASIALICS 2016で報告した。報告論文のうちベトナム企業を事例とした1篇については、査読付き論文として刊行済みである。 また、「職場への移転」分析のための質問票調査については、WSをはじめとする一連の議論の中でより独自性・新規性のある研究を実施するために、さらに理論的な検討を進めることにした。先行研究の再検討を行った結果、まず条件によっては職場への移転に影響が大きいと考えられる「他の研修生からの支援(training peer support)」に着目することにした。また、対象国であるベトナムやミャンマーにおいては職場への移転が必ずしも一般的に求められる職務内容に含まれないことから、こうした業務を「組織市民行動(organizational citizenship behavior)」の概念的枠組みを用いて分析することにした。このため、当初予定では28年8月~9月に「日本センター」の研修コース受講者を対象とした質問票調査を実施することにしていたが、より慎重にこれらの新たな視点を反映させた2つの分析枠組み及び質問票を作成することにした。29年3月にマンダレーで実施したWSにおいて、分析枠組みと質問票の内容について重点的に議論した。この他、日本センターをはじめとする対象2ヵ国やタイにおける研修をはじめとする人的資源開発事例についての研究を実施した。この結果、最終年度での取りまとめに向けて、異なる産業・研修内容についての事例の蓄積を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
質問票調査は当初予定より遅れる形で実施することにしたが、内容面では計画以上に新規性・独自性を持った分析になることが期待される。このため、全体としてはおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
前年度末WSの報告論文を修正し、まず国際学会で報告、再修正後に学術誌へ投稿する。 また2ヵ国の日本センターの研修受講者を対象とした個人レベルの職場への移転に関する質問票調査を実施する。さらに新規の研究として、組織レベル「職場への移転」分析のための検討項目を特定したうえで現地調査を行う。具体的には、27年度に探索的事例分析の対象企業をはじめ、積極的に日本センターの研修に参加している企業で事例調査を実施する。その際、組織学習論と技術移転論それぞれで論じられてきた諸要因が、過不足なく検討できるように配慮する。個人レベルの質問票調査は構造方程式モデリングや分散分析などの統計的な手法を用いて分析する。組織レベルの事例分析結果については主に記述的・定性的な分析方法をとるが、可能な範囲で定量分析を試みる。分析結果は、30年2月にハノイで開催するWSで報告する。 現地調査終了後に研究全体の取りまとめも始める。とりわけ受講者、利用企業、研修事業者や内外の関連政府機関等対象の「職場への移転」効果を高めるための提言作成に力点を置く。提言内容は実証研究結果の概要と合わせて、研究組織構成員が共同で論文として取りまとめる。その過程では、研究期間を通じて継続的に収集する文献資料から得られる最新の知見も反映させる。最終的な取りまとめ結果は、前述のハノイWSで報告する。
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