研究課題/領域番号 |
15H03384
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
浅川 和宏 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 教授 (50276424)
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研究分担者 |
井口 知栄 慶應義塾大学, 商学部(三田), 准教授 (20411209)
林 倬史 国士舘大学, 経営学部, 客員教授 (50156444)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 国際経営論 / グローバル・イノベーション / ローカル・イノベーション / グローバルR&D / 研究開発拠点 |
研究実績の概要 |
現在のグローバル・イノベーション研究における最重要課題の一つとして、海外子会社のローカル・イノベーターからグローバル・イノベーターへの役割進化に関する詳細なプロセスとその要因の解明が挙げられる。特に、今日の新たなグローバル・イノベーション環境の到来は、そうした変化を促す新たな要因をもたらした。本研究の目的として、日本企業の海外研究開発子会社の役割変遷に着目し、先進国拠点と新興国拠点でのパターンの違いを解明しようとしている。そのうえで、そうした変遷をもたらす要因を現地環境要因、企業要因、子会社要因、個人要因といったマクロ・ミクロをまたがる多面的レベルで検討することを目的としている。 平成27年度、28年度には、文献調査をし、概念構築に向けた現地調査を行った。この時期の現地調査は初期の研究設問に照らした開拓的な現地調査をし、文献調査と現地調査から得られた成果の論文を執筆し、国内外の学会で論文発表をしてきた。平成29年度は、これまでの既存文献および現地調査から得られた定性的知見に基づく、より焦点を絞った質問調査を実施し、データ収集及び分析をした。今年度は構成概念の特定および概念間の因果・相関関係の理論化、および概念尺度の測定に関する詳細な検討を行う予定である。その一方、引き続き現地調査も可能な範囲で継続的に行い、理論枠組みの妥当性、尺度の信頼性を事前に高める努力を払いたい。また、前年度までに行った現地調査を基に行った帰納法的研究論文を執筆し、国内外の学会発表、ジャーナルへの論文投稿を行いたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、研究計画の進捗状況を国内外の学会で研究成果として報告できており、論文の執筆や出版も進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに行った既存研究文献研究および現地調査から得られた定性的知見に基づき、多国籍企業の海外子会社の役割がローカル・イノベーターからグローバル・イノベーターへと変遷を遂げる条件、プロセス、仕組に関する仮説の検証を試みる。 平成30年度は、最終年度であるため、定性的知見と定量的知見を含めた多面的、総合的な研究成果の発表、執筆を試みる予定である。
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