研究課題/領域番号 |
15H03386
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
白木 三秀 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80187533)
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研究分担者 |
山本 崇雄 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (30318761)
細萱 伸子 上智大学, 経済学部, 准教授 (50267382)
岸 保行 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (50454088)
飛田 正之 福井県立大学, 経済学部, 准教授 (60315835)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | HRM-パフォーマンス・リンク / 強いHRMシステム / マルチ・レベル・フレームワーク / 組織的成果指標 / 媒介メカニズム / HRM担当者 / ライン・マネジャー |
研究実績の概要 |
初年度である本年度は、文献収集・研究を継続しながらも「強いHRMシステム」理論を提示するBowen and Ostroff (2004)を踏まえ、また実証研究を実施することにより、「強いHRMシステム」の測定スケールを提案しているDemotte & Sels (2012)等をより深く検証する。そのため、企業並びに従業員に対するヒアリング調査を経た上でアンケート調査の設計を行うことを当初より企図していた。 ヒアリングをアンケート調査に先立って十分に実施しておく必要がある。ヒアリングはテーマとの関係で、企業ではHRM担当者ならびにライン・マネジャーに対して実施する必要があり、同時に同一企業での従業員からのヒアリングも必要となる。 そこで、本年度は、国内では海外での展開が著しい自動車関連の企業を中心にヒアリングを行った。豊田合成、ジャトコ、日産自動車などである。さらに、海外ではメキシコを訪問し、日産自動車、ジャトコなどの日系企業、ならびに現地の食品企業(Herdes)、化学・医薬品企業(Chinoin)などを訪問した。その際に現状についてのヒアリングを行うとともに、アンケート調査への協力要請を行った。中小企業で「強いHRMシステム」の適用が可能かどうかという目的で、現地での知見・地縁の得られる遼寧省朝陽市を訪問し、現地の食品企業、鋳鍛造企業など数社を訪問し、その調査可能性を探った。アンケート調査の実施可能性について現地関係者より強い協力が得られるということになったが、中小企業におけるHRMシステム概念の適用については特段の工夫が必要であることが分かった。 次年度に向けてこれらのヒアリング結果などを踏まえてさらに研究を進展させていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者、研究分担者のみならず、本テーマに強い関心を有する大学院博士課程の学生2名にも研究協力者として参加をしてもらい、国内調査、海外調査を実施できた。 またその前提として、日本企業の本社と海外子会社の間の「強いHRMシステム」に関する概念の拡張、あるいは中小企業における「強いHRMシステム」概念の適用可能性について、研究代表者、研究分担者、研究協力者間での意見交換や中間的な研究成果についての議論を継続的に行うことができ、次年度に向けてその方向性を相互に確認できたからである。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの枠組みに関する議論、企業ヒアリング、ならびにアンケート調査の実施可能性のサウンディングなどを踏まえ、今年度にはさらにその方向を継続するとともに、できればメキシコでのアンケート調査の実査を行いたいと考えている。その前提として、アンケート調査票についての精力的な議論と精緻化を進め、ミスのない調査設計を行う必要がある。 さらに、日本企業本社・海外子会社間における「強いHRMシステム」概念の適用可能性を探る目的でのアンケート調査を実施したいと考えている。同時に、中国における中小企業における「強いHRMシステム」概念の適用可能性について、日本の中小企業・ベンチャー企業研究を踏まえて実査を行いたいと考えている。
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