研究課題
本研究では、わが国の観光産業、とりわけホテル・旅館等の宿泊産業が海外からの集客力を高めるとともに、収益性の劇的な改善に向けた優れたインバウンド戦略を立案し、その実現を図るうえで、これを支援する有効な情報システムの構築に向けた、具体的かつ操作性に優れた方法論を探究すべく努力を重ねてきた。さらに、いかに卓越した戦略を描くことができたとしても、宿泊業のみの努力によって海外からの観光客を多数呼び込めるわけではないことから、運輸産業や飲食産業をはじめとする他の関連産業との有機的なコラボレーション(ツーリズム・サプライチェーン)のあり方についても検討を行ってきた。具体的には、前述の情報システムのベースモデルとなるサービスABCD(attribute-based cost deployment)を提示し、その有効性を確認するためのアクションリサーチを山口県防府市にあるビジネスホテルの協力を得て推進してきた。このアクションリサーチでは、あわせてサービスVE(value engineering)の適用可能性の検証も行った。加えて、ホテル産業におけるアメーバ経営の有効性に関する検討も他のリサーチサイトを対象に実施した。他方で、後者のツーリズム・サプライチェーンに関しては、主にインタビュー調査を通じて、その促進要因および阻害要因を明らかにすべく研究を進め、その成果の一部を提言にまとめてフォーラム等を通じて発信してきた。その他、インタビューおよび訪問調査を実行する際に体現した研究方法論に関する様々な疑問点および障害の解決につながるアプローチのあり方についても検討を重ね、その成果の一部は近々公表する予定である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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早稲田商学
巻: 451/452 ページ: 1-24
産業経理
巻: 78 ページ: 4-15