研究課題/領域番号 |
15H03406
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長谷川 公一 東北大学, 文学研究科, 教授 (00164814)
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研究分担者 |
町村 敬志 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (00173774)
喜多川 進 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (00313784)
池田 和弘 日本女子大学, 人間社会学部, 講師 (20590813)
野澤 淳史 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特別研究員 (30758503)
佐藤 圭一 東北大学, 文学研究科, JSPS特別研究員(PD) (40757093)
中澤 高師 静岡大学, 情報学部, 講師 (50723433)
平尾 桂子 上智大学, 地球環境学研究科, 教授 (70158335)
中川 恵 山形県立米沢女子短期大学, 山形県立米沢女子短期大学, 講師 (70781160)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 気候変動政策 / パリ協定 / IPCC / 言説ネットワーク分析 / 温暖化懐疑論 / 環境NGO / 原子力発電 / 石炭火力発電 |
研究実績の概要 |
これまでの研究実績をもとに、研究代表者と研究分担者5名が寄稿し『気候変動政策の社会学: 日本は変われるのか』(昭和堂)を2016年7月に刊行し、書評などで好評を博している。 2016年7月ウィーンで開催された、国際社会学会の第3回社会学フォーラムで佐藤圭一が本研究の成果を報告した。 韓国・イギリス・ドイツ・インド・フィンランド・ノルウェー・台湾・カナダ・アメリカの研究者と情報交換を行い、「パリ協定」採択・批准後の各国の気候変動対策に関する情報収集に努めた。日本国内では、環境省の気候変動問題の担当者、気候変動問題に関する環境法学者・環境経済学者・環境政治学者、地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)、WWFジャパン、気候ネットワーク、地球の友ジャパンの気候変動担当者と意見・情報交換をすすすめ、「パリ協定」採択・批准後の日本の政策の現状と課題について分析を深めた。 日本については、目標年や基準年がバラバラのため、地方自治体の気候変動対策と国の対策・政策との整合性が見えにくくなっていることが判明した。本研究チームとして、1990年を基準年として換算をすすめ、日本の地方自治体と日本政府、EUや各国政府の政策が統一的に比較できるようにする。 震災復興と気候変動対策との関連についても、環境社会学会大会、日本社会学会大会などで情報収集に努め、宮城県におけるNGOや生協などが、震災復興と放射能汚染、食の安全性に関して、どのような対応を行ったのかについては中川恵が分析を進めた。 気候変動対策に関する国内的な新たな争点として、石炭火力発電所建設問題が浮上してきた。国内に48基の新設計画があることが判明し、仙台市における同問題について詳細な事例調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イギリス・ドイツとの共同研究は順調に進んでいる。韓国側の研究は研究の進捗にやや停滞がみられる。「パリ協定」批准後の各国の気候変動対策に関して、アメリカのトランプ政権誕生によってどのような影響が生じるのか、気候変動枠組からのアメリカの脱退の可能性も含め、予断を許さない点がある。引き続き、情報収集に努めたい。 日本については、目標年や基準年がバラバラのため、地方自治体の気候変動対策と国の対策・政策との整合性が見えにくくなっている。1990年を基準年として、地方自治体と日本政府、EUや各国政府の政策が統一的に比較できるようにしたい。
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今後の研究の推進方策 |
産業部門、業務部門、民生・家庭部門の削減策、再生可能エネルギーの促進策を日・英・独・韓国がそれぞれどのように進めようとしているのか、キープレイヤー間のネットワーク図を作成し、比較研究を進める。石炭火力発電所の建設問題について、日韓と英独の対応の相違点と類似点について、情報収集と分析を行う。インド側からの国際共同研究の提案を受け、インドとの比較分析の可能性と課題についても検討を行う。
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