研究課題/領域番号 |
15H03431
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
丸山 裕子 高知県立大学, 社会福祉学部, 教授 (00295156)
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研究分担者 |
中村 佐織 京都府立大学, 公共政策学部, 教授 (80198209)
安井 理夫 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 教授 (30329677)
伊藤 佳代子 別府大学短期大学部, その他部局等, 教授 (10390361)
西内 章 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (80364131)
西梅 幸治 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (00433392)
加藤 由衣 高知県立大学, 社会福祉学部, 助教 (30611991)
河野 高志 福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (50647237)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | コンピテンス志向 / 実践支援仕様アプリケーションソフト / ハイリスクな状態にある利用者システム / 利用者参加の方法開発 / 総合的実践過程支援システム |
研究実績の概要 |
平成28年度は、新プロトタイプ版の精緻化と実用性の向上に向け、①コンピュータの専門家との頻繁な打ち合わせ ②研究分担者間のすり合わせをくりかえし、コンテンツのさらなる精緻化をはかり、③それらをプロトタイプ版へと反映させる作業を中心に行った。 当初は、教育支援仕様のアプリケーションソフトのコンセプトを基盤とし、より汎用性を高める形での実践支援仕様の新アプリケーションソフトの開発をめざしていた。しかし、上記の作業をくりかえす過程で、実践における活用といったことに焦点化するならば、このコンセプト自体をみなおす必要性が認識された。 クライエントと作業療法士の協業を促すことを目的に開発され、広く普及しているADOC(Aid for Decision-making in Occupaition Choise)の発想に刺激を受け、本研究テーマであるハイリスクな利用者システムへの実践過程支援モデルにおいても、利用者のセルフアセスメントの視点から、実践支援仕様アプリケーションソフトの開発を再構成するという着想に至った。つまり、マイナーチェンジではなく、コンセプト自体からの再検討を行った。その結果、質問項目の精査と感覚的な表示方法、内容についての選択肢のビジュアル化とその過程を利用者自身が容易に操作できる入力方法の検討など、が課題となった。それらについて、検証作業時の場(会議室のような場か、面接室のようなイメージか、向かい合ってすわるのか、電子カルテのイメージかなど)やインストール方法、媒体となるツール(今回はソーシャルワーカーはノートパソコン、利用者はiPAD)の仕様、ビジュアル化(具体的過ぎるとイラストに影響される等)の工夫、結果の利用者との記録の共有など、研究者の考える希望がソフトに反映可能か否かも含め、システムエンジニアや時には元PSWの方に協力を得て、デモ版をみてもらい意見を求め、さらなる改良を重ねた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上述したように、これまでのソーシャルワーカー中心の発想から、利用者のセルフアセスメント中心の発想へとシフトし、実践現場における使い勝手も含め実践支援仕様アプリケーションソフトの見直しを行った。ツール精緻化にあたり研究者の発想をツールに反映するためには、それが可能か否かあるいはどのようにするならそれが可能か、システムエンジニアの方との綿密な打ち合わせとともに予算との関連も重要な部分を占める。 この予算支出の方法に関して、支出の窓口となる大学の事務局の理解が得られず、これまで打ち合わせを重ねてきたソフト開発業者への支払い方法が明示されないため、ツールの精緻化が実質上中断せざる得ない状況に陥った。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究経過を周知している共同研究者やPSWとしての実践経験を有するエコシステム研究会のメンバー(研究者)を中心として、ハイリスクな状態にある利用者システムのセルフアセスメントの視点から、さらなる実践支援仕様アプリケーションソフトのコンテンツの精緻化をはかっていきたい。 ただし、研究者側からのコンテンツの精緻化をツールにいかに反映させるかを開発業者とともに検討していく作業が不可欠のため、この作業への対価の支払いについては窓口となる事務局の検討を待たざるえない。再三、依頼しているが返答を得られず、今後の推進方策もこの結果にかかっているといえる。
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