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2018 年度 実績報告書

ピアサポートの意義および効果に関する包括的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15H03432
研究機関聖学院大学

研究代表者

相川 章子  聖学院大学, 心理福祉学部, 教授 (60383303)

研究分担者 荒井 浩道  駒澤大学, 文学部, 教授 (60350435)
山口 創生  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 地域・司法精神医療研究部, 室長 (20611924)
濱田 由紀  東京女子医科大学, 看護学部, 非常勤講師 (00307654)
種田 綾乃  神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (70643261)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードピアサポート / ピアスタッフ / ピアサポーター / 精神障害 / 縦断的研究 / リカバリー / 効果測定 / 理論構築
研究実績の概要

本研究は、ピアサポートおよびピアスタッフに関する効果測定を主とする研究班(効果測定班)と、ピアサポートの理論構築を主とする研究班(理論構築班)の2つの柱で構成した。
効果測定班における縦断調査の分析結果においては、ベースラインから18ヶ月後では暴露群(ピアスタッフ雇用群)と非暴露群(ピアスタッフ非雇用群)で、リカバリーやストレングス等の尺度において両群とも向上する結果が得られた。これは障害福祉サービス事業所(本調査では地域活動支援センターおよび就労継続B型)は利用者にとってリカバリーに効果的なサービスが提供されていることを示している。一方で、暴露群と非暴露群間では有意な差は得られなかった。つまりピアスタッフ雇用群はピアスタッフ非雇用群と変わらないサービス提供がなされているとする結果となった。
理論構築班によるフォーカスグループインタビュー調査の分析結果より、248コード、48サブカテゴリー、8カテゴリーが生成された。ピアスタッフの相互作用の要素として、ピアスタッフは自分自身のリカバリーの経験や、仲間の存在に力を得た経験をもとに、利用者の状況への理解を深め、力や可能性を感じていることが認められた。より対等な関係性の中で、利用者の希望をくみ取り、適切なタイミングで自身の経験を開示することで、利用者の変化とともに、自身の変化や自身の経験のもつ価値も感じていた。また、ピアスタッフが相互作用の中で感じる苦悩・苦労は、自分自身の経験からわかることの限界も感じ、経験の伝え方に悩んだり、適切なタイミングで自分の経験を伝えられずに躊躇することもあることが認められた。また、相手の望むことにあわずにネガティブな反応を受けたり、ピアスタッフであることで利用者から厳しい目で見られるような状況に苦悩する様子も見られた。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 研究におけるコ・プロダクションと当事者 参画の世界潮流と日本での可能性2019

    • 著者名/発表者名
      山口創生
    • 雑誌名

      響き合う街で

      巻: 124 ページ: 31-35

  • [雑誌論文] ピアスタッフとともに働くこととスタッフの支援態度および職場環境の関連2018

    • 著者名/発表者名
      1)水野雅之,種田綾乃,澤田宇多子,相川章子,濱田由紀,Naoko Yura Yasui,山口創生
    • 雑誌名

      精神医学

      巻: 60(2) ページ: 773-781

    • DOI

      https://doi.org/10.11477/mf.1405205640

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 認知症ケア研究におけるナラティヴ・アプローチの可能性2018

    • 著者名/発表者名
      荒井浩道
    • 雑誌名

      日本認知症ケア学会誌

      巻: 16(4) ページ: 742-748

  • [雑誌論文] リカバリーに仲間の存在は不可欠(特集ピアのちから)2018

    • 著者名/発表者名
      相川章子
    • 雑誌名

      こころの元気+

      巻: 12(7) ページ: 6-9

  • [学会発表] 障害福祉サービス事業所で働くピアスタッフが経験しているピアサポートの相互作用-ピアスタッフに対するフォーカスグループインタビューから-2019

    • 著者名/発表者名
      種田綾乃,濱田由紀,御薗恵将,相川章子,荒井浩道
    • 学会等名
      第38回日本社会精神医学会
  • [学会発表] 地域福祉サービス事業所におけるピアサポーターの有無による アウトカムの比較:縦断研究(PAL-J study)2019

    • 著者名/発表者名
      山口創生, 種田綾乃, 相川章子
    • 学会等名
      第8回日本精神保健福祉学会全国学術研究集会 東京大会
  • [学会発表] 『支援するーされる』という関係性を超えて-ソーシャルワークにおけるピアスタッフとの協働に向けて-2018

    • 著者名/発表者名
      相川章子, 中原さとみ, 堀川正志, 野中麻衣子, 磯田重行
    • 学会等名
      第17回日本精神保健福祉士学会学術集会
  • [学会発表] 当事者とピアスタッフが進めるリカバリー志向サービスに向けて-アメリカの現状からみる日本の可能性-2018

    • 著者名/発表者名
      相川章子
    • 学会等名
      リカバリー全国フォーラム
    • 招待講演
  • [学会発表] 本音で語る多職種連携―ソーシャルワークのかかわりから(社会福祉士)(シンポジウム,若松直樹・吉田恵・菊池小百合・荒井浩道・谷川良博・大澤誠 「シンポジウム4―本音で語る多職種連携」)2018

    • 著者名/発表者名
      荒井浩道
    • 学会等名
      第19回日本認知症ケア学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] ナラティヴ研究の有効性と課題―ナラティヴ・ソーシャルワークをもとに考える2018

    • 著者名/発表者名
      荒井浩道
    • 学会等名
      第1回日本保健医療社会学会関東例会
    • 招待講演
  • [学会発表] 「教えない」福祉人材育成―「余白」がつくる主体に学び対話する人材(シンポジウム,成田すみれ・森田明美・小川喜道・荒井浩道・中島康晴・青木茂樹「ソーシャルワーカーの現状と育成」)2018

    • 著者名/発表者名
      荒井浩道
    • 学会等名
      日本社会福祉学会関東地域ブロック研究大会
    • 招待講演
  • [学会発表] どんな人がピアスタッフに向いているのか?(分科会12)2018

    • 著者名/発表者名
      磯田重行, 佐々木理恵, 竹内政治, 相川章子
    • 学会等名
      リカバリー全国フォーラム2018
  • [学会発表] そうなんだ、WRAPも当事者研究も、みんなピア・サポートなんだ(ランチョンセミナー10)2018

    • 著者名/発表者名
      相川章子, 増川ねてる, 伊藤知之
    • 学会等名
      日本デイケア学会第23回年次大会千葉大会
  • [学会発表] 育ち合う関係づくりのためのスーパービジョン~未熟から成熟へ~(分科会4)2018

    • 著者名/発表者名
      磯田重行, 相川章子, 西村聡彦, 大石泰治
    • 学会等名
      第7回全国ピアスタッフの集い
  • [図書] ピアとして働くヒント2019

    • 著者名/発表者名
      相川章子,磯田重行,加藤伸輔,彼谷哲志,宮本有紀,斎藤剛,岩谷潤,矢部滋也,佐々木理恵, 内布智之,稲垣麻 里子,柳尚孝,上野康隆,岩崎香,松本衣美,山本俊爾,下平美智代,伊藤知之,佐藤光展,肥田裕久,中田健士,西 村聡彦,伊藤未知代
    • 総ページ数
      -
    • 出版者
      星和書店

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公開日: 2019-12-27  

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